名古屋の盗撮事件で逮捕 被害者の弁護士

2015-04-02

名古屋の盗撮事件で逮捕 被害者側の弁護士

女子高生のVさんは、コンビニの店内でスカート内を盗撮されました。
Vさんと一緒にいた友人が盗撮行為に気付き、犯人を現行犯逮捕しました。
現場に来た愛知県警中川警察署は、Vさんに被害届を提出する意向があるか尋ねました。
(フィクションです)

~被害届を出すメリット~

痴漢事件や盗撮事件など性犯罪の多くは、被害者の被害届提出をきっかけに刑事事件として扱われます。
被害者が被害届を提出しない場合には、事件の発生が明らかで犯人が特定されていても、刑事事件として処理されないこともあるようです。
例えば、千葉県警によると2011年の1月~8月までに県内で発生した痴漢事件・盗撮事件のうち、89件が犯人に対する指導・警告をもって終了しています。
こうした対応を取った理由には、「被害届が提出されなかった」という理由も相当数含まれているということです。

被害届を提出しない理由の多くは、「周りの人に知られたくない」「時間がない」「急いでいる」などだそうです。
また「被害届を提出してもメリットがない」ということを挙げる方もいらっしゃるようです。

確かに痴漢・盗撮被害を受けた方の精神的ショックは、相当重いものだと思います。
ですから、被害を受けた後に「周りの人に知られたくない」などと思う気持ちは、容易に想像できます。
たとえ話す相手が警察官でも、被害について詳しく話したくないと思うことがあるでしょう。
そして、盗撮事件の発生件数が多い時間帯が15時~21時であることなどを考慮すると、「時間がない」「急いでいる」などという理由が多いのも納得できます。
盗撮被害などに遭っても、学校や会社から帰宅する途中、あるいは遊びに行く途中であれば、事情聴取などに煩わされたくないという気持ちが勝ることもあるでしょう。

ただ「被害届を提出してもメリットがない」というのは、本当にそうでしょうか。
千葉県警幹部は、次のように語っています。
「性犯罪は、同一犯が繰り返すケースが多い。
自分が被害届を提出して、犯人処罰のきっかけを作ることが、結果的には同様に困っている他の女性たちの被害を減らすというメリットにつながる。」
つまり、被害届の提出は、再犯防止のきっかけになるということです。
再犯を防止すれば、痴漢や盗撮の被害を受ける人を減らすだけでなく、犯人自身の更生にもつながります。

一方で被害届を提出しなければ、痴漢事件・盗撮事件の犯人が、それに味をしめ、犯行を繰り返すおそれがあります。
これでは、被害届を提出しなかったことが新たな被害者の発生を助長することになりかねません。

盗撮事件などの被害者になってしまった場合、お一人で悩まず弁護士にご相談下さい。
弁護士は、盗撮犯人の味方と思われる方もいらっしゃいますが、必ずしもそうではありません。
被害者の意向に沿って適切な対応をアドバイスしたり、被害者の方に代わって加害者と示談交渉を行ったりすることもあるのです。
なお、愛知県警中川警察署への初回接見サービスは、3万5000円です。

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