盗撮で執行猶予

2021-06-29

 

盗撮と執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します  

Aさんは、盗撮をしたとして京都府迷惑行為防止条例違反で現行犯逮捕されました。その後、Aさんは起訴されました。Aさんは、同じく盗撮での罰金前科1犯を有していました。Aさんは有罪となってもいいから執行猶予だけは獲得したいと思い、弁護士に無料法律相談を申込みました。
(フィクションです)

~執行猶予とは~

執行猶予とは、その罪で有罪ではあるが、言い渡された刑(懲役刑、罰金刑)の執行を一定期間猶予する(見送る)ことをいいます。たとえば、懲役刑を受けた方であれば、刑の確定後、刑務所に入らなくていいですし、罰金刑を受けた方であれば、罰金を払う必要はありません。

執行猶予を受けるための要件は、刑法25条1項に規定されています。

刑法25条1項
 
 次に掲げる者が3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる

1号 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2号 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を受けた日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者

つまり、執行猶予を受けるには

1 3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けること
2 上記1号、あるいは2号に該当すること
3 (執行猶予付き判決を言い渡すのが相当と認められる)情状があること

が必要ということになります。

まず、上記1からすると、執行猶予を獲得する可能性があるかどうか、その可能性はどの程度のものかどうか知るには、犯した罪について定められている刑(法定刑)を確認する必要があります。

この点、各都道府県の迷惑行為防止条例(以下、条例)で定められている盗撮の法定刑は、通常の場合「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金(条例11条2項)」、常習の場合「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金(条例12条1項)」が多いですから、いずれが適用されようとも、執行猶予の要件1の「3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けること」の要件は満たされそうです(ただし、複数の行為・罪で起訴された場合などは要件を満たさなくなる可能性がでてきます)。

次に、上記2についてです。

「前に」とは、執行猶予判決を言い渡される前にという意味です。「禁錮以上の刑に処せられた」とは、禁錮以上の刑を言い渡した判決確定したことをいうのであって、その確定判決の執行を受けたことを意味しませんから、刑の執行を猶予された場合も含まれます。つまり、刑法25条1項1号の「前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者」とは、

・なんら前科のない人
・前科があっても罰金刑(実刑、執行猶予付きを含む)以下の前科を有する人

を意味することになります。なお、裁判を受けたものの無罪判決を獲得し、その裁判が確定した人も「前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者」に含まれることはいうまでもありません。Aさんの場合、前科こそ有するものの、その内容としては罰金40万円ということですから、刑法25条1項1号の「前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者」に当たります。

禁錮以上の刑に処せられ、刑務所に服役した方(実刑となった方)であっても2号により執行猶予を獲得できる場合があります。2号の「執行を終わった」とは、刑務所の服役期間が満了したという意味で、「執行を終わった日」とはその翌日を意味すると解されています。そして、その「執行を終わった日」から5年間、禁錮以上の刑に処せられたことがない者は2号に当たり、執行猶予を獲得できる場合があるのです。

最後に上記3についてです。
情状は、犯罪そのものに関する情状(犯情)とその他の一般情状に区別されます。犯情とは、犯行動機・態様、被害結果などの要素があり、盗撮が終わった後ではいかんともしがたい事実です。他方、一般情状については、盗撮後でも、いくらでも有利に動かすことができます。事実を認めるのであれば、まずはご自分の行ったことに対し深く反省し、被害者が被った被害に思いをいたし、被害弁償を進め、可能であれば示談を締結する必要があります。それが、裁判では、有利な情状として考慮され得るからです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮事件をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。盗撮、その他の刑事事件で執行猶予獲得をお考えの方は、フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。

 

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