盗撮の疑いで現行犯逮捕

2021-06-22

今回は、盗撮事件を起こして逮捕されてしまった場合における、身柄解放活動の重要性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

 

Aさんは、札幌市内の駅構内上り階段において、前を歩いていた女性Vのスカートの中を、カバン内部に仕掛けた隠しカメラで盗撮しました。
しかし、Aさんの行為は鉄道警察隊によって警戒されており、階段を上り切ったところで警察官らに囲まれ、職務質問を受けました。
観念したAさんは盗撮をしていたことを打ち明け、隠しカメラの画像を警察官に見せたところ、北海道迷惑行為防止条例違反の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。
現在、真駒内署に引致され、取調べを受けています。(フィクションです)

~札幌市内の駅で盗撮事件を起こすとどうなる?~

ケースのような盗撮事件を起こした場合、各都道府県が制定する迷惑防止条例違反の罪に問われます。
Aさんは札幌市内の駅構内で事件を起こしているので、適用が検討される条例は「北海道迷惑行為防止条例」です。

北海道迷惑行為防止条例第2条の2第2号アは、
①公共の場所若しくは公共の乗物又は集会場等にいる者に対し、
②著しく羞恥させ、又は不安を覚えさせるような方法で、
③衣服等で覆われている身体又は下着を撮影する
行為を禁止しています。

Aさんは、公共の場所に該当する札幌駅構内において、Vのスカート内をカメラで撮影しており、当該行為をVが知ったならば、Vを著しく羞恥させ、又はVに不安を覚えさせることになると考えられます。
上記規定に違反し、有罪判決が確定すると、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処せられます(北海道迷惑行為防止条例第11条1項)。

さらに、北海道迷惑行為防止条例第2条の2第2号イによれば、盗撮行為を行うためにカメラなどを差し向けることも禁止されています。
そのため、Vのスカートの中が撮影されていなかった場合であっても、北海道迷惑行為防止条例違反の罪に問われうることになります。
こちらの場合も、法定刑は「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」となっています(北海道迷惑行為防止条例第11条1項)。

~逮捕の種類について解説~

「逮捕」には①通常逮捕、②緊急逮捕、③現行犯逮捕の3種類があります。

(現行犯逮捕)
現に罪を行い、または行い終わった者を現行犯人といいますが、この現行犯人は、何人でも、逮捕状なくして逮捕することができます。
「何人でも」逮捕可能ですから、民間人であっても現行犯逮捕することができます。

ケースのAさんになされた逮捕はこの現行犯逮捕です。
Aさんを逮捕したのは鉄道警察隊の警察官ですが、盗撮事件や痴漢事件においては、民間人の目撃者などによって逮捕されるケースもしばしば生じます。

(通常逮捕)
通常逮捕とは、逮捕状による逮捕をいいます。
捜査機関が裁判官に通常逮捕状を請求し、その発付を得て、被疑者を逮捕する手続です。

警察署へは任意同行という扱いで連行されたが、取調べの結果、令状を取得して通常逮捕されるケースもあります。

(緊急逮捕)
死刑または無期もしくは長期3年以上の懲役・禁錮にあたる罪を犯したことを疑うに足りる充分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないとき、その理由を告げて行うことができる逮捕です。

緊急逮捕するその時には、令状は不要ですが、逮捕後、「直ちに」緊急逮捕状を請求しなければなりません。
緊急逮捕状が発付されないときは、直ちに被疑者を釈放しなければなりません。

ケースの場合に成立しうる罪は、最長でも6か月の懲役にとどまる犯罪なので、緊急逮捕できる要件は満たしていません。

~早期の身柄解放活動の重要性~

「逮捕」には身体拘束を伴うため、被疑者に対する制約がかなり大きいといえますが、逮捕によって拘束できる期間は最長でも3日間です。
その後勾留されなければ釈放されるので、今まで通りに会社へ行ったり、学校へ登校することができるようになります。

反対に勾留されてしまうと、逮捕期間を含め、捜査段階において最長23日間も外に出られなくなってしまいます。
そのため、逮捕直後においては、勾留を阻止する活動が非常に重要となります。
できるだけ早く弁護士を依頼し、身柄解放活動に着手してもらうのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所です。
ご家族が盗撮の疑いで逮捕されてしまい、早期の身柄解放の実現を希望しておられる方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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