【報道解説】女児のスカートを盗撮して逮捕

2023-01-18

【報道解説】女児のスカートを盗撮して逮捕

ショッピングモールで7歳の女児のスカートのなかを盗撮したとして、迷惑行為防止違反の疑いで逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「福岡県直方市のショッピングモールで23日午後、小学生の女の子のスカートにスマートフォンのカメラを差し入れたとして、自称・大学生の男が現行犯逮捕されました。
盗撮の疑いで逮捕されたのは、福岡県苅田町の自称大学生・A容疑者(22)です。
警察によりますと、A容疑者は23日午後2時45分ごろ、福岡県直方市のショッピングモールでゲームセンターの前で立ち止まっていた7歳の小学生の女の子の背後に立ち、スマートフォンのカメラをスカートの下に差し入れて盗撮した疑いです。
女の子の近くにいた女性がA容疑者の不審な動きに気づき、声をかけて発覚したということです。
A容疑者は警察の調べに対し、『間違いない』と容疑を認めています。」

(令和4年11月23日にFBS福岡放送で配信された報道より一部匿名にして引用)

【盗撮の罪―福岡県の場合】

盗撮行為については各都道府県が定める迷惑行為防止条例によって禁止されていますので、刑事罰の対象となる盗撮行為の条件や、盗撮行為をした場合にどのような刑事罰が科されるのかということは、各都道府県の迷惑行為防止条例によって異なる場合があります。

今回取り上げた報道は福岡県で起きた盗撮事件に関するものです。

福岡県迷惑行為防止条例6条2項1号では、公共の場所、公共の乗物その他の公衆の目に触れるような場所において、正当な理由がなく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、通常衣服で隠されている他人の身体又は他人が着用している下着を写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(写真機等)でを用いて撮影することを禁止しています。

取り上げた報道で逮捕された男性は、ショッピングモールにおいて背後から小学生の女児のスカートの下にスマートフォンを差し入れたということです。
これは、「公共の場所」または「その他の公衆の目に触れるような場所」において、正当な理由がなく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で「他人が着用している下着」を「写真機等」で撮影したと考えられますので、福岡県迷惑行為防止条例6条2項1号に違反した可能性があります。

ちなみに福岡県迷惑行為防止条例6条2項1号に違反して盗撮行為を行うと、同条例11条1項によって1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
仮に、盗撮行為を常習的に行っていた場合には刑が重くなって、福岡県迷惑行為防止条例12条1項により、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

【盗撮から余罪の発覚へ】

盗撮事件で一度警察の捜査が始まると、警察は盗撮に使用していたスマートフォンや小型カメラ、盗撮した画像や動画が保存されている可能性があるSDカードや外付けのハードディスクといったものを押収して、余罪がないかについての捜査が行われる場合が多いです。

余罪の捜査の結果、常習的に盗撮していた場合には先ほども説明したように単なる盗撮よりも重い刑罰が科される可能性がありますし、また盗撮とは別の犯罪が成立する可能性もあります。
たとえば、押収した盗撮画像の中に、他人の家の中に入り込んで盗撮したものがあれば刑法130条の住居侵入罪が成立する可能性がありますし、「児童ポルノ」に該当する画像を盗撮によって製造していた場合には児童ポルノ製造罪が成立する可能性があります。

住居侵入罪の法定刑は3年以下の懲役又は10万円以下の罰金で、児童ポルノ製造罪の法定刑は3年以下の懲役又は300百万円以下の罰金(児童買春・児童ポルノ禁止法7条5項)となっていています。

もし盗撮以外の余罪についても立件されることになると、単なる盗撮事件の場合よりも罪が重くなることになりますので、盗撮について警察の捜査の対象になっている方は、まずは弁護士に相談されることをお勧めします。
弁護士に相談することで、余罪の立件可能性といった盗撮事件の見通しや弁護士刑事弁護活動を依頼することのメリット等を知ることができるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
盗撮について警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

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