【事例解説】小型カメラが入ったカバンで盗撮
カメラが入ったカバンをスカート内に差し入れて盗撮したとして性的姿態等撮影罪で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
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事例
Aさんは、盗撮目的でカバンを改造してカメラのレンズが上になるように入れられるようにしました。
そのカバンを使ってAさんは駅のエスカレーターや階段でスカートを履いた女性を狙って後ろからカメラが入っているカバンを差入れての盗撮を繰り返していました。
同じように盗撮行為を繰り返していたある日、後ろにいた人がAさんの不審な動きに気付き、カバンの確認を求めました。
Aさんが激しく抵抗したため、警察が呼ばれ、警察がカバンを確認したところカメラが見つかり、盗撮をしていたことが発覚したためAさんは性的姿態等撮影の疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんが逮捕されたという連絡を受けた、Aさんの妻は状況を知るために弁護士に初回接見を依頼しました。
(フィクションです。)
改造したカバンを使っての盗撮事件
盗撮事件は、ニュースを見ていても頻繁に発生していることが伺えます。
手口としては、普段使っているスマートフォンを使っての盗撮が多いようですが、中には小型カメラを使っての盗撮なども発生しています。
事例のようにカバンを改造して小型カメラを設置できるようする場合もあれば、靴に穴を空けて、その穴からカメラのレンズを出しての盗撮などもあります。
巧妙化した盗撮行為の場合、発覚しづらいこともあり、逮捕された際に何百人もの被害者が盗撮された画像や動画が見つかることがあります。
盗撮行為は何罪にあたる?
盗撮行為は、性的姿態等撮影罪によって罰せられます。
性的姿態等撮影罪とは、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」(出典/e-GOV法令検索)の第2条1項に定められており、刑罰として「三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金」が定められています。
今回のスカートの中を盗撮した行為は、同法第2条1項1号イに定められる「人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分」を撮影していると評価できます。
よって今回の事例では、Aさんは性的姿態等撮影罪に問われることになるでしょう。