【事例解説】祭り会場のトイレにカメラを設置(中編)
祭り会場のトイレにカメラを設置した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
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【事例】
愛知県内の高校に勤める教員のAさんは、夏祭りに行った際に、女子トイレにカメラを仕掛け盗撮をしようと試み、トイレの中に人がいないタイミングを見計らい、カメラを設置しました。
その後、中に人が入っていくのが見え、人がいなくなったところでカメラを回収しようとトイレ付近に身を隠し、様子をうかがっていました。
そうしたところ、出てきた女性が手にAさんの仕掛けたカメラを持っていたことで、Aさんは盗撮がバレたと考え、その場を後にしました。
後日、不安に思ったAさんは弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
【今回の事例で逮捕された場合】
今回の事例では、性的姿態等撮影罪に問われる可能性があります。性的姿態等撮影罪とは、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」(出典/e-GOV法令検索)の第2条1項に定められており、刑罰として「三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金」が定められています。
また、同条第2項は「前項の罪の未遂は、罰する。」と定めているため、性的姿態等撮影罪には未遂罪も規定されています。
そのため、Aさんには性的姿態等撮影罪、または性的姿態等撮影未遂罪が成立する余地があります。
【教員免許を持つ者に前科が付いてしまうと】
教員免許についてを定める教育職員免許法第10条1項および第5条1項3号は、「禁錮以上の刑に処せられた者」は、教員免許が失効し、また再度の教員免許取得ができなくなる旨を定めています。そのため、仮に教師が性的姿態等撮影罪で起訴されて禁錮以上の前科が付いてしまうと、教師としての仕事に大きな影響が出ることになると考えられます。そのため、出来る限りの予防策を講じることが賢明といえるでしょう。