名古屋の盗撮事件で逮捕 懲役の弁護士
名古屋の盗撮事件で逮捕 懲役の弁護士
Aさんは、被害女性3名が入浴している様子を盗撮したなどとして、愛知県警中村警察署に逮捕されました。
また今後は、それらの映像を編集したビデオをビデオ販売店などに陳列させ、被害者らの名誉を毀損したという名誉毀損罪の疑いで再逮捕される予定です。
今回は平成14年3月14日東京地方裁判所刑事第11部判決を参考に、事案を作成しました。
警察署名は修正してあります。
~盗撮行為に伴う名誉毀損行為の例~
今回は、ある判例をご紹介したいと思います。
平成14年3月14日東京地方裁判所判決です。
この裁判では、被告人の児童買春・児童ポルノ禁止法違反、わいせつ図画販売罪、名誉毀損罪が問題になりました。
ただし、今回は、このうち名誉毀損罪に注目して話を進めていきたいと思います。
実際の盗撮事件の中には、盗撮画像を販売目的で編集し、販売するというケースが度々あります。
このような場合、わいせつ図画販売罪などが成立することになります。
今回ご紹介する判例は、それにとどまらずさらに名誉毀損罪の成立を認めている点が大きな特徴です。
本件で問題になった具体的な名誉毀損行為は、
「被告人が経営する会社の従業員2人と共謀して、露天風呂で入浴中に盗撮された被害女性3名の裸体の映像を編集したビデオを全国の書店やビデオ店等に陳列させた」
というものです。
同ビデオテープは、専ら見る者の性的関心にこたえることを意図し、販売目的で編集されました。
そして、そこには、女性の裸体だけでなく、その顔面も明瞭に写っており、その映像自体から盗撮されている人物を明瞭に識別できる状態だったということです。
こうした事実を踏まえて、東京地裁は、被告人の名誉毀損行為を以下のように評価しました。
「性的関心に向けられた商品に女性の全裸が録画された場合、撮影された女性が誰か分かれば、その女性に種々の否定的な評価を生ずるおそれがあることは否定し難い。
本件では、被害者らは、実際には入浴中にその裸体を盗撮され、自分たちの知らない間にその映像をビデオテープに録画されたものである。
しかし、本件ビデオテープは、それ自体鮮明な画像に仕上がっているなど、映像自体から盗撮されたものか、一見しただけでは明らかでない。
事情を知らない場合、撮影されている女性が不特定多数者に販売されるビデオテープに録画されることを承知の上で、自ら進んで裸体をさらしているという印象を与えかねない。
このような場合、上記のおそれにはとりわけ軽視し難いものがあるといわなければならない。」
その結果、被告人に対しては、名誉毀損罪が成立すると判断しました。
そして、その他の児童買春・児童ポルノ禁止法違反、わいせつ図画販売罪と合わせて、懲役2年執行猶予4年の有罪判決が言い渡されました。
愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、盗撮事件に強い刑事事件専門の弁護士事務所です。
懲役刑となる可能性が高い事件でも刑事事件専門の弁護士事務所ならではの様々なノウハウを活かし、少しでも刑事処分が軽くなるよう尽力します。
なお、愛知県警中村警察署に逮捕されたという場合は、初回接見サービスをお勧めします(初回接見費用:3万3100円)。