盗撮で任意出頭を求められた
任意出頭を求められた件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
さいたま市内に住む男性Aさんは同市内の商業施設で、女性のスカート内を盗撮したものの、女性に気付かれたことから、側から慌てて逃走しました。しかし、翌日、悪いことをしてしまったと後悔し、このままでは逮捕されてしまうのではないか、刑務所行きになるのか、勤務先にバレてしまうのではないか、などと心配していたところ、警察官から任意出頭を求められました。
(事実をもとにしたフィクションです)
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~条例違反の可能性~
Aさんは各都道府県が制定する迷惑防止条例に違反することになります。
たとえば、埼玉県の条例はこのようになっています。
埼玉県迷惑行為防止条例
第2条4項
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人に対し、身体に直接若しくは衣服の上から触れ、衣服で隠されている下着等を無断で撮影する等人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。
Aさんの行為は、「公共の場所」で、「衣服で隠されている下着等を無断で撮影」したことになるので、まさにこの条文に違反したことになります。
罰則は埼玉県の条例の場合、原則として6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金です。
~任意同項は拒否できる?~
任意同行は、あくまで捜査機関の任意処分であり、対象者の意思に基づいて行われることを要しますから、拒否することはできます。
しかし、正当な理由なく任意同行に応じない、不出頭を繰り返す、ということになれば、それが「逃亡又は罪証隠滅のおそれ」の一つの微表として逮捕されることはあり得ます。
逮捕の要件は、「逮捕の理由」と「逮捕の必要」に区分されます。
ここで、逮捕の必要とは、被疑者の逃亡、あるいは罪証隠滅等を防止するため、被疑者の身体の拘束を要することをいいます(刑事訴訟規則143条の3等)。
不出頭が数回に及ぶなど特段の事情が存在し、逃亡等のおそれがないとはいえないと判断されれば「逮捕の必要」があるとされ、逮捕される可能性もありますから注意が必要です。
~逮捕されたら弁護士と接見~
逮捕直後の接見は弁護士しか認められていません。弁護士と接見することにより、取り調べや等に対するアドバイスを受けられたり、今後の見通しなどについて知ることができます。また、私選弁護人として契約すれば、釈放に向けて早期に動き出してもらえます。万が一逮捕された場合は、弁護士と接見することをお勧めいたします。
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