(大阪市)盗撮事件の余罪で再逮捕?

2019-02-03

(大阪市)盗撮事件の余罪で再逮捕?

Aは、大阪市福島区内の複合商業施設で、女性V1のスカート内にスマホを差し入れたとして、大阪府福島警察署の警察官に、大阪府の迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで逮捕された。
同署が押収したAのスマートフォンを調べたところ、大阪市福島区内に住んでいる別の女性V2の部屋や下着類等を盗撮した画像が発見された。
そこで大阪府福島警察署の警察官は、Aを住居侵入罪の疑いで再逮捕した。
Aの家族は、盗撮事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)

~盗撮事件と余罪~

Aは、まず複合商業施設において、前にいた女性Vのスカート内にスマートフォンを差し入れ、カメラ機能で盗撮していた疑いで逮捕されています。
各都道府県は「迷惑防止条例」(あるいは「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」など)を制定し、上記のような(主として公共の場所における)盗撮行為を罰則を設けて禁止しています。
多くの「迷惑防止条例」では、「衣服等で覆われている人の身体又は下着をのぞき見し、又は撮影すること」を禁止する規定を置く等と、いわゆる「盗撮行為」の禁止規定を置いています。
そして、いわゆるショッピングセンターやショッピングモールのような複合商業施設も、「公共の場所」であると考えられていることから、上記Aの行為は迷惑防止条例の禁止する盗撮行為に当たると考えられます。
スマートフォンの普及により簡単に静止画・動画の撮影が可能になったことから盗撮事件は増加しているといわれています。
そこで、これ以上の被害の拡大を防止するために、盗撮行為の禁止される場所の拡大、罰則の強化などの対策が講じられつつあるのが現状です。
法律ではなく条例である以上、各都道府県による議論や改正状況によって、禁止される態様や規定ぶりに微妙な差異が存在します。
したがって、条例が規定する禁止行為に該当するかどうかの判断等は、盗撮事件の専門知識を有する弁護士のアドバイスが不可欠であるといえるでしょう。

さらにAは、余罪として、証拠として押収されたスマートフォンからV2に対する盗撮画像が発見されています。
これはV2の自宅内に無断で侵入し撮影されていることから、この行為は、住居侵入罪(刑法130条前段)が適用されるものと考えられます。
このように、スマートフォン等による盗撮行為は、その態様によって適用される法律が変わることにも注意が必要です。
さらに、仮に本件侵入行為に、下着そのものを窃取する目的が認められれば、窃盗未遂罪(刑法235条、243条)も成立しうることから、この点に関する弁護士による防御活動も重要になりうるでしょう。

~「マスコミ用語としての再逮捕」と「刑事訴訟法上の再逮捕」~

マスコミ用語としての「再逮捕」と、刑事訴訟法(および刑事訴訟規則)上における「再逮捕」とは全く異なる状態を指しているので注意が必要です。
たしかに、刑事訴訟法199条3項および最高裁が定める刑事訴訟規則142条1項8号は、再逮捕を許容している規定であると解されています。
しかし、再逮捕が安易に繰り返されれば、刑事訴訟法が203条以下によって厳格に身体拘束期間を定めている趣旨を容易に潜脱できてしまいます。
したがって、通説的には(同一の犯罪事実による)再逮捕が許されるのは、事情変更が生じた場合など例外的な場面に限られると考えられています。
このように、法的には「再逮捕」とは、同一の犯罪事実による再度の逮捕のことをいうのです。

これに対して、新聞・テレビ等のマスコミが「再逮捕」という場合、これは同じ人物が再び逮捕されたという程度の意味しか持ちません。
本ブログの冒頭の事例では、あえてマスコミ用語における用法で「再逮捕」の語を使っていますが、法曹関係者がこの意味で「再逮捕」という用語を使うことはほとんどないといっていいでしょう。
本件のように、迷惑防止条例違反で逮捕されたAが、全く別の犯罪である住居侵入行為で逮捕されること自体は、法的には「再逮捕」ではなく、それぞれが逮捕の法定要件を満たせば許されることに争いはありません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、近年増加傾向の著しい盗撮事件を含む刑事事件の弁護活動を専門に扱う法律事務所です。
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大阪府福島警察署までの初回接見費用:34,300円)

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