【事例解説】向かいの山から露天風呂を盗撮したとして逮捕
向かいの山から露天風呂を盗撮したとして男が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
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事例
会社員のAさんは、趣味の山登りをしている最中に、山の中腹から麓にある温泉の女性用の露天風呂が見えることに気付きました。
別の日にカメラと望遠レンズを持って山を上ったAさんは、持ってきた機材を使って露天風呂にいる裸の女性を撮影しました。
山登りをしていた他の人がAさんの不審な行動に気づき警察に通報しました。
臨場した警察官が、Aさんの撮影したデータを確認すると露天風呂内の裸の女性を撮影した写真や動画を発見したため、性的姿態等撮影罪の疑いでAさんを逮捕しました。
警察からAさんを逮捕した旨の連絡を受けた、Aさんの妻は事件の状況を知るために弁護士に初回接見を依頼しました。
望遠レンズを使った盗撮事件
露天風呂を見渡せる山の中腹から望遠レンズを使って露天風呂内を盗撮する行為は、ニュースを見る限り全国的に発生しているようです。
望遠レンズを使って遠くから行われる盗撮行為については、盗撮されている被害者は気付かないことが多く事件が発覚した段階で多数の被害者がいることも珍しくありません。
また、盗撮された被害者の中に18歳未満の児童がいる場合は、性的姿態等撮影罪の他に児童ポルノの製造罪も成立する可能性があります。
Aさんの行為に成立する犯罪
今回の事例では、まず性的姿態等撮影罪に問われる可能性があります。
性的姿態等撮影罪は、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」の第2条1項に定められています。
性的姿態等撮影罪は、正当な理由なく「性的姿態等」をひそかに撮影する行為を、一定の例外を除き処罰しています。
この「性的姿態等」の対象として、(1)人の性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部又は胸部)、又は(2)人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を覆っている部分、と規定されています(同法2条1項1号イ参照)。
具体的には、入浴中の裸の人や、下着姿の人を盗撮するような行為が、性的姿態等撮影罪が成立し得る典型例となります。
本件の男は、山の中腹から露天風呂内にいる裸の女性を撮影していますので、性的姿態等撮影罪が成立する可能性が高いでしょう。
また、18歳未満の児童を盗撮していた場合は、児童ポルノの製造罪も成立する可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、性的姿態等撮影罪を含む刑事事件を多数取り扱い、身体拘束からの解放や示談成立による不起訴処分を獲得している実績が多数あります。
ぜひ一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談ください。
逮捕された方への弁護士の派遣、無料法律相談のご予約は0120ー631ー881にて受け付けております。