さいたま市浦和区の盗撮事件

2019-05-04

さいたま市浦和区の盗撮事件

さいたま市浦和区在住のAさんはある日,帰宅途中に道路からVさん宅の浴室の窓が開いており浴室内が見えることに気が付いた。
後日,Aさんが帰宅しているとその日もVさん宅の浴室の窓が開いておりVさんが入浴しているのを見ることが出来た。
AさんはVさんが入浴しているところを撮影しようと思いカバンからスマートフォンを取り出したところ偶然通りかかった埼玉県浦和警察署の警察官に声をかけられ,事情を聞かれることとなった。
(フィクションです)

~盗撮~

盗撮は各都道府県の制定するいわゆる迷惑防止条例によって処罰対象とされています。
各都道府県によって文言に若干の違いはありますが,例として埼玉県の迷惑防止条例では以下のようになっています。

埼玉県迷惑行為防止条例第2条4項
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人に対し、身体に直接若しくは衣服の上から触れ、衣服で隠されている下着等を無断で撮影する等人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。

他の都道府県の迷惑防止条例も細かい部分は異なるものの,おおむねこういった形で盗撮行為について禁止をしています。

従来は実際に盗撮した場合にのみ処罰する規定の都道府県が多かったのですが,近年の改正により,カメラなどの設置やカメラなどを向けた時点で盗撮とする条例が多くなっています。
例えば,埼玉県の場合であれば,実際に撮影ができていなくとも,盗撮しようとカメラを設置したりカメラを向けたりすることが「卑わいな言動」に該当するとして,迷惑防止条例違反が適用される可能性があります。

盗撮をした場合,各都道府県によって異なりますが,埼玉県の場合は6年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。
刑罰規定は各都道府県によって異なりますので実際に盗撮をしてしまった都道府県の条例を弁護士と確認するようにしてください。

また,今回のケースでAさんは道路から盗撮しようとしていますが,盗撮をするためにお店の建物や他人の家の敷地に入った場合には建造物侵入罪(刑法130条)となる場合もあります。
建造物侵入罪に問われた場合,法定刑は3年以下の懲役または10万円以下の罰金となります。

~今回のケースの場合~

今回のケースは道路からVさんが入浴しているのを撮影しようとしていたところを警察官に見つかったという事案です。
そのため,VさんはAさんが盗撮しようとしていたことを認識していない可能性もあり,そうなれば被害届が出されない可能性もあるでしょう。
このような場合には都道府県によっては警察による厳重注意のもと,事件化せずに終了となる可能性もありますが,捜査の過程でVさんに警察が話を聞いた場合に,Vさんが被害届を出すということも考えられます。
その場合には,事件が検察官に送致される可能性は高くなります。
検察官に事件が送致された場合,検察官は事件を起訴するか不起訴とするかを決めることになります。
起訴となってしまった場合,懲役か罰金刑となり,執行猶予が付されていても前科となってしまいます。

しかし,起訴猶予となれば前科とはなりません。
そのため,弁護士事件が起訴猶予となるように弁護活動をしていくことになるでしょう。
盗撮事件の場合,被害者の方との示談が成立しているかどうかが事件を起訴するかどうかに非常に大きな影響を与えます。
しかし,示談交渉をしようと思っても盗撮事件の被害者は加害者と会おうとしないことが多いです。
そのような場合でも,弁護士が間に入ることによって被害者の方が示談に応じてくれるというケースもあります。
盗撮事件に限らず,示談交渉は弁護士に相談するのがベストな選択です。

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刑事事件の示談交渉,弁護活動の経験豊富な弁護士が多数所属しております。
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