少年を盗撮して逮捕
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少年を盗撮して逮捕
少年を盗撮して逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
東京都八王子市に住む男性Aさん。
銭湯や男子トイレで、少年の裸の姿を盗撮することを繰り返していました。
ある日、盗撮しているところを少年の父親が見つけて通報。
Aさんは、八王子警察署の警察官により逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)
~男児の盗撮~
盗撮というと、男性が女性を盗撮するケースが多いですが、被害者が男性となる場合もあります。
被害者が男性であろうが女性であろうが、成立する犯罪は同じです。
今回のような事件では、まずは各都道府県が制定する迷惑防止条例に違反する可能性があります。
東京都の迷惑防止条例を見てみましょう。
第5条1項
何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
(2) 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
(以下省略)
条文が長くてわかりづらいですが、「イ」に書かれているような場所で、普段は衣服で隠されている下着や身体を盗撮すると、この条文に違反することになるわけです。
罰則は、原則として1年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。
盗撮の前科があるなど常習者とみなされると、2年以下の懲役または100万円以下の罰金となり、懲役の期間が長くなる可能性があります。
他にも、盗撮目的で他人の建物に入ることは、たとえデパートなどの誰でも出入りできるような場所であったとしても、建造物侵入罪に問われる可能性もあります。
刑法130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
迷惑防止条例よりも重い罰が定められています。
~児童ポルノ禁止法違反にも~
さらに今回の事例のように、被害者が18歳未満の場合には、児童ポルノ禁止法違反にも問われる可能性があります。
児童ポルノ禁止法
第7条5項
前二項に規定するもののほか、ひそかに第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態を写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物に描写することにより、当該児童に係る児童ポルノを製造した者も、第二項と同様とする(※3年以下の懲役または300万円以下の罰金)。
「第二条第三項各号のいずれかに掲げる児童の姿態」とは、ざっくり言うと卑わいな格好をいいます。
また、撮影などをして児童ポルノを作り出すことを、法律では児童ポルノ製造と呼んでいます。
児童を性犯罪の被害から守るため、大人を盗撮した場合に成立する迷惑防止条例違反よりも重い刑罰が定められているわけです。
~逮捕されてしまったら~
万が一、盗撮で逮捕されたり、警察の取調べを受けたという場合には、被害者(の親)と示談をすることが重要です。
また、悪いことだとわかっていても性犯罪がやめられないという場合には、専門的な治療をしている病院に行くことも重要です。
これらの真摯な対応をすることにより、刑事処分や判決の内容を軽くすることにつながったり、再犯防止にもつながってきます。
とはいえ、たとえばどのような内容で、どうやって示談をしたらよいのか分からないと思います。
また、どれくらいの処罰を受けるのか、いつ釈放されるのかなど、ご本人やご家族は大きな不安を抱えていると思います。
ぜひ一度、刑事事件に詳しい弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。