【事例解説】女性の下着を盗撮し公認会計士の男が逮捕①

2025-05-22

大阪府内の商業施設内で20代の女性のスカート内を盗撮したとして公認会計士の男が逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

商業施設

【事例】

大阪府内の監査法人に勤務するAさんは、同府内の商業施設で20代の女性Vさんのスカートの中を盗撮しました。そうしたところ、それを目撃した男性BさんがAさんをその場で取り押さえ、結果としてAさんはスカート内を盗撮した疑いで逮捕されました。
(この事例はフィクションです)

【今回の事例で問われる犯罪】

今回の事例では、大きく分けて2つの犯罪に問われうる可能性があるでしょう。
1点目は性的姿態等撮影罪です。
まず、性的姿態等撮影罪とは、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」の第2条1項に定められており、刑罰として「三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金」が定められています。
今回のスカートの中を盗撮した行為は、同法第2条1項1号イに定められる「人の性的な部位(性器若しくは肛こう門若しくはこれらの周辺部、臀でん部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分」を撮影していると評価できます。
よって今回の事例では、男は性的姿態等撮影罪に問われることになるでしょう。
また、同条第2項は「前項の罪の未遂は、罰する。」と定めているため、性的姿態等撮影罪には未遂罪も規定されています。
そのため、Aさんには性的姿態等撮影罪、または性的姿態等撮影未遂罪が成立する余地があります。

2点目は建造物侵入罪です。
また、建造物侵入罪刑法第130条に定められており、簡単にいえば、住居や邸宅以外の建造物に所有者の許可や正当な理由なく侵入すると成立する犯罪です。その刑罰として「三年以下の懲役又は十万円以下の罰金」が定められています。
今回の事例では、たしかに商業施設はだれでも自由に出入りすることはできますが、それは買い物など施設の利用が前提となっています。そして、建物の所有者が盗撮を目的とした者の施設への自由な出入りを認めるかというと、通常そうではないと推測できます。そうであるならば、盗撮目的を有した者の施設内への自由な出入り男性は許可されていないと解せます。
また、当然ながら、盗撮目的で施設に出入りすることにつき、正当な理由があると判断してもらうことは難しいでしょう。
そのためAさんには建造物侵入罪も成立する余地があるでしょう。

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