【事例解説】女子トイレに侵入し女性を盗撮し逮捕(後編)
女子トイレに侵入して個室内の女性を盗撮したとして逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
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事例
会社員のAさんは、商業施設内の女子トイレの個室内を盗撮しようと企てて、女装して女子トイレに侵入し個室内の女性を盗撮しました。
被害を受けた女性が、個室の上の隙間からスマートフォンを向けられていることに気付きAさんを捕まえて警備員に引き渡しました。
その後、通報により臨場した警察官に性的姿態等撮影と建造物侵入の疑いでAさんは逮捕されてしまいました。
Aさんを逮捕したと連絡を受けた、Aさんの両親は事件の詳細を知るために、弁護士に初回接見を依頼しました。
(フィクションです。)
性的姿態等撮影罪の前科が付くことを回避するには
性的姿態等撮影罪の前科を付けたくない、仕事への影響を最小限に留めたいとお考えの方は、まずはいち早く弁護士に盗撮事件について相談して、事件の見通しや今後の対応といったことについてアドバイスを貰われることをお勧めします。
今回の事例において、まずは、早期の身体解放を目指します。具体的には、逮捕後に勾留手続に進まないよう、逮捕後直ちに、弁護士が逮捕された者と面会して直接事件の内容を聴取することで、今後の事件の見通しを示し、取調べへの対応を検討します。
逮捕は、最長72時間の時間制限があり、その後に検察官が行う勾留請求によって裁判所が勾留決定を出せば、10日間から20日間も身体拘束が続くことになるため、もしも拘束された場合には日常生活に大きな支障が出る可能性が高いです。そこでこれを阻止するために、弁護士は、検察官や裁判官と交渉し、逮捕後の勾留を阻止するための主張を行う、勾留決定に対して準抗告を行うなど、釈放に向けた働きかけを行います。
また、盗撮事件を起こしてしまった場合、被害者方との示談交渉を行い、示談を締結することが、最終的な処分の軽減を図る上で重要になります。
示談交渉に際しては、被害者方と盗撮事件を起こした本人の当事者間で直接に示談交渉を行うことも不可能ではありません。
しかし、被害者方からすれば、直接盗撮事件の犯人と交渉を行うのは避けたいと思うのが通常であると考えられます。また、充分な法的知識を持たない当事者同士による示談の場合、示談の条件等に不備がある場合も少なくなく、示談締結後になって再度トラブルが発生するといったことも想定されます。
そのため、性的姿態等撮影罪の前科がつくことを避けるために被害者の方との示談をしたいと考えている方は、法律の専門家である弁護士に示談交渉を依頼し、示談を締結されることをお勧めします。