盗撮事件・のぞき事件の示談と被害者

ここでは、被害者の方が、盗撮事件・のぞき事件で示談することについて、ご説明します。

1 被害者の方が示談をするメリット・デメリット

示談とは、犯罪の被害者の方と加害者の方が話し合いによって、紛争を自主的に解決することですので、お互いにメリット・デメリットがあります。

被害者の方が示談をするデメリットとしては、

(1) 犯人の処罰や量刑(刑の重さ)が少なからず軽くなるおそれがある点です。

そのため、突然犯罪の被害に遭い、被害感情・処罰感情が強いという場合には、示談はおすすめできません。ただし、示談したからといって、犯罪がなかったことになるわけではありません。

したがって、加害者には、示談してもなお刑罰が科される可能性もありますし、社会的な制裁(会社などでの懲戒処分)を受ける可能性があることに変わりはありません。

 

2 被害者の方が示談をするメリット

一方で、被害者の方が、被疑者(容疑者)・犯人と示談をするメリットもあります。

(1) 早期の被害賠償を受けられる可能性が高い
盗撮・のぞき事件では、罰金刑の有罪判決を受ける場合も多くあります。もっとも、罰金は、国家の刑罰であるため、罰金から被害者の方へ賠償されことはありません。しかし、示談をすることで、民事裁判を起こすなどするよりも早期に、加害者より被害者の方へ被害賠償が可能となります。

(2) 被害者の方の要望を示談書の中で定めることが可能
盗撮事件・のぞき事件の被害者の方からは、被疑者(容疑者)・犯人と関わりたくないという声も聞きます。そして、そのように思うのも当然だと思います。
また、盗撮された写真や映像の流出が不安と思われる方も多くいます。

示談をするとそのような不安を解消することもできます。
示談の条件として、具体的な駅、店舗等に行かないようにする、あるいは盗撮したデータの削除をするなどを盛り込むことも可能です。

 

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