盗撮事件と検挙件数

1 警察に認知されている盗撮事件の件数

1990年代以降、盗撮事件が大きな社会問題となりました。
とりわけ、近年では、盗撮に用いる機器(デジタルカメラ、スマートフォン等)の小型化、高性能化で、盗撮事件が容易に引き起こされる状況になっているといえます。

盗撮事件については、一般的に性的姿態撮影等処罰法制定前は、各地方自治体が定める迷惑防止条例違反で警察に検挙されています。「平成25年版警察白書」によると、平成24年中の迷惑防止条例違反事件のうち、盗撮での検挙件数は2,048件です。

過去の警察白書のデータによると迷惑防止条例違反の痴漢での検挙人数が、おおよそ4,000件前後で推移していることと比べると、盗撮事件の方が検挙されている件数が少ないように思われます。

もっとも、実際に盗撮などの被害にあっているものの警察へ相談されていない件数は、警察白書などで公表されている件数の数倍にも及ぶといわれています。

2 盗撮事件で使用される道具

「平成25年版警察白書」によると、盗撮事件で使用された器具別の盗撮件数は、以下の通りです。

図Ⅱ-43③盗撮事犯の供用物別検挙数(平成24年) 検挙件数 割 合
カメラ付き携帯電話 718件 29.8%
スマートフォン 792件 32.9%
デジタルカメラ 353件 14.7%
小型(秘匿型)カメラ 263件 10.9%
ビデオカメラ 134件 5.6%
タブレット端末 15件 0.6%
その他 103件 4.3%
不明 30件 1.2%
盗撮事犯の供用物別検挙件数

カメラ付き携帯電話、スマートフォンを使用した盗撮が、盗撮事件の検挙件数全体の6割以上を占めていることがわかります。また、デジタルカメラやビデオカメラを使用した盗撮の件数も一定数あります。

 その一方で、小型(秘匿型)カメラの件数が全体の1割以上もあります。

小型(秘匿型)カメラとは、「カモフラージュカメラ」などと呼ばれ、インターネット上などでも容易に購入することができます。

秘匿型カメラには、ペンの形をしたものや、腕時計型のもの、キーレス型ビデオカメラなど、安いものでは2000円程度から購入できるなど、悪用されるおそれの強い商品であるともいえます。

 

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