【事例解説】職場内での盗撮の疑いをかけられ弁護士に相談
職場内での盗撮事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
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【事例】
愛知県内の会社に勤めるAさんは、会社の女性用更衣室に盗撮用のカメラを仕掛けた疑いをかけられ、警察の取り調べを受けることになりました。
Aさんとしては全く身に覚えがないものの、冤罪をかけられるのではないかと不安に思い、今後の対応について弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)
【性的姿態等撮影罪とは】
今回の事例のような盗撮事件では、性的姿態等撮影罪または各都道府県の定める迷惑行為防止条例が成立する可能性があります。
まず性的姿態等撮影罪とは、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」の第2条1項に定められています。
刑罰として「三年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金」と定められています。
具体的には、臀部や胸部などの性的な部位を撮影した場合が該当します。
また、同条第2項は「前項の罪の未遂は、罰する。」と定めているため、性的姿態等撮影罪には未遂罪も規定されていることから、仮に設置された盗撮用のカメラに、性的な部位が映りこんでいなかったとしても、性的な部分を撮ろうとする故意が認められる場合には性的姿態等撮影未遂罪が成立する余地があります。
他方、そのような故意も認められないと判断される場合には、迷惑行為防止条例が適用されることになります。
今回の事例では、愛知県迷惑行為防止条例2条の2第2~3号では「衣服等で覆われている人の身体」の「撮影」が禁止されており、それに違反した場合には、同条例18条3号によって「五十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」が科されることになります。
また常習性が認められる場合には、同条例18条2項によって「六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金」が科されることになります。
以上のように、盗撮事件においては、科料や罰金から、最も重い場合で懲役刑と、刑罰の幅が広いため、少しでも刑事処分を軽減したいという方は、弁護士に依頼することが得策といえるでしょう。
【具体的な弁護活動】
今回の事例では、Aさんとしては、盗撮行為を否認する方向で対応することを希望すると考えられます。
そのような場合には、まず不利な調書が作られないように取調べでの対応をアドバイスします。
また、事件の見通しや今後の対応等についてのアドバイスも行い、不安感の軽減に努めます。
加えて、万が一事件化され、起訴された場合に備えて、証拠収集等を行い、あらゆるケースにも対応できる最適な弁護活動の実現に努めます。
そのため、性的姿態等撮影罪の前科がつくことを避けるたいと考えている方は、刑事事件に強い弁護士に弁護を依頼し、今後の対応や事件の見通しについてアドバイスを貰うことをお勧めします。