【事例解説】盗撮事件 犯人発覚前の弁護活動(前編)

2025-01-22

今回は、盗撮事件の犯人が発覚する前におこなえる弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説いたします。

事例

名古屋市内の会社で働くAさんは、会社の女子トイレに盗撮カメラを設置し、同僚を盗撮しようとしました
盗撮カメラの設置後、「女子トイレに盗撮カメラが設置されている」として騒ぎとなり、犯人であるAさんは不安にかられています
まだAさんが犯人であると特定されてはいないようですが、このような状況でどのような行動をとることができるのでしょうか
(事例はフィクションです。)

事例の場合に成立しうる犯罪

・性的姿態等撮影罪 

Aさんは、性的姿態等撮影罪に問われる可能性があります

性的姿態等撮影罪とは
以前は、各都道府県の迷惑行為防止条例違反として処罰されていた盗撮行為ですが、令和5年に施行された「性的姿態等撮影罪」(同法2条1項)により、全国で統一的に処罰されることになりました。
性的姿態等撮影罪の正式名称は、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」(出典/e-GOV法令検索)と言い、同法律の第2条1項に定められています。
法定刑は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金となっています。

この「性的姿態等」の対象は
人の性的な部位
(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部又は胸部)
人が身に着けている下着
(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)
のうち現に性的な部位を覆っている部分と規定されています。
(同法2条1項1号イ参照)
具体的には、本事例のような排泄中の姿や入浴中の裸の人、下着姿の人を盗撮するような行為が該当することとなります。

・建造物侵入罪

性的姿態等撮影罪の他にも、盗撮カメラを設置する目的で会社のトイレに侵入している点が、建造物侵入罪(刑法第130条前段)に問われる可能性があります。
住居や邸宅以外の建造物に所有者の許可や正当な理由なく侵入することによって犯罪となります。
法定刑は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金となっています。

会社の女子トイレは、その会社の関係者や、共用部分として解放されているトイレであれば自由に出入りすることはできますが、女子トイレである以上、女性が使用することが想定されています。
基本的に建物の所有者は、女子トイレの使用について、女性に限り使用を許可しているため、男性が女子トイレに入ることは許可されていないものと考えられることと思います。
男性は男子トイレを使用すればよく、女子トイレに入る正当な理由があると判断してもらうことは難しいと言えるでしょう。

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