盗撮事件・のぞき事件と訴訟の種類・手続

1 公判請求

被疑者について盗撮事件・のぞき事件の同種前科がある、特殊な装置を用いている、行為態様が悪質であるなどの事情から公判請求が相当であると検察官が判断した場合、検察官は、起訴状を裁判所に提出し公訴提起を行います。

公判請求には、「正式裁判」を求めるものと、「即決裁判」をもとめるものがあります。

 

(1)正式裁判

正式裁判は、裁判所の公開の法廷で、裁判官による審理をうけ、判決により無罪あるいは刑罰を言い渡されるものです。

正式裁判となった場合のデメリット

① 正式裁判となった場合、法廷で裁判の審理を受けなければなりません。
② また、被疑者・被告人が勾留されている身柄事件の場合、引き続き勾留されることとなるのが原則です。そのため、保釈しない限り、身柄拘束が長期化します。
裁判は公開されるため、傍聴に来ている方に事件が知られることとなります。
④ また、起訴され公判請求された場合、99.9%有罪となってしまいます。

②について、身柄事件の場合、被疑者(容疑者)の身柄拘束については、起訴後もその身柄拘束の状況は変わりません。刑事施設から出たい場合には、保釈を請求しなければなりません。

一方、逮捕されたあと勾留されていない事件(「在宅事件」といいます)の場合においては、裁判期日に、自宅から裁判所に出頭することとなります。

起訴されると、無罪を主張し、裁判所に認めてもらうことは容易ではありません。しかし、刑事事件を専門に取り扱う弁護士に相談し、無罪を主張していくことも可能です。

刑事事件について経験豊富な弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談下さい。

 

(2)即決裁判手続

即決裁判手続は、争いのない明白軽微な事案について、一定の要件のもと、簡易かつ迅速に裁判を行うことができるようにすることによって、手続きの合理化・効率化を図るための制度です。

検察官が起訴と同時に裁判所に申し立てることによって、通常より早期に開かれる公判期日において、簡略・効率化した証拠調べを行い、罰金判決、又は、懲役若しくは禁錮の執行猶予付き判決を、原則として審理の同日に言い渡します(刑事訴訟法350条の2以下)。

即決裁判手続の特徴として、以下の点が挙げられます。

① 争いのない明白軽微な事案を対象としていること
被疑者(犯罪の嫌疑で逮捕された容疑者)の同意が必要であること
③ 裁判所での公判期日は必ず弁護人が必要であること
簡易な方法による証拠調べが行われること
⑤ 原則として即日判決の言い渡しがされること
懲役または禁錮刑の言渡しをする場合、必ず執行猶予付きの判決が下されること

 

2 略式命令請求 

略式命令手続は、簡易裁判所が、検察官の請求により、刑事訴訟法に定める公判手続(正式裁判)によらないで、100万円以下の罰金又は科料の刑を科する公判前の手続をいいます(刑事訴訟法461条)。

略式命令請求の特徴としては、以下の点が挙げられます。

簡易裁判所の管轄に属する事件で、100万円以下の罰金または科料を科すべき場合に限られていること
② 略式命令請求手続きにすることについて 被疑者(容疑者)の同意が必要であること
③ 裁判所は、事件が有罪であることを確認し、罰金を納める旨の命令を出すこと
④ 審理のために裁判所へ出頭する必要がないこと
⑤ 略式命令に不服がある場合には、正式裁判を請求することができること

略式命令は、裁判所が検察官から送られてきた記録をもとに簡易迅速に罰金を納める旨命令するものです。

裁判所での公判手続ではないことから、上記のような特徴があります。
その一方で、裁判所による略式命令の告知を受けた日から14日以内に、不服がある当事者は正式裁判を請求することができるとされています。

 

3 盗撮事件と裁判

盗撮事件では、性的姿態撮影等処罰法違反の場合、「3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金」と定められています。
そのため、検察官に起訴された場合には、正式裁判、即決裁判手続、略式命令請求のどれにも当てはまりうるといえます。

もっとも盗撮事件で捜査された場合、初犯で比較的軽微な行為態様の場合には、略式命令請求ということも十分ありえることからすると、正式裁判とされるのは同種前科がある、再犯の可能性が高いなど一定の悪質性がある場合ともいえます。

盗撮・のぞき事件で逮捕され、自分がどのような手続に進んでいくのか不安な方は、刑事事件を中心に取り扱う弁護士に相談し、自分の置かれている状況や今後の見通し、法的なアドバイスを受けることをおすすめします。

刑事事件を中心に取り扱い、盗撮事件・のぞき事件についても経験豊富な弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所(0120-631-881)までご相談下さい。

 

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