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【事例解説】男子高校生が同級生を盗撮した疑いで逮捕 

2024-02-19

男子高校生が同級生の女子高校生を盗撮した疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

盗撮犯

事例 

男子高校生のAさん(17歳)は、受験勉強のストレスから、通学途中の駅のエスカレーターや学校内でスマートフォンを使い盗撮を繰り返していました。 
ある日、Aさんが駅のエスカレーターで盗撮をするためスマートフォンを女子高校生のスカート内に差し入れたところ、女子高校生Vが盗撮されていることに気付きAさんを問い詰めました。
女子高校生Vの通報により、駅員や警察が現場にかけつけ、盗撮したことを認めなかったAさんは性的姿態等撮影罪の疑いで逮捕されてしまいました。 
被害者の女子高校生のVさんは、Aさんと同じ学校に通う同級生であったため、Aさんの盗撮行為は学校も知ることになりました。 
警察からAさんを逮捕したとの連絡を受けたことに加え、学校からも連絡を受けたAさんのご両親は、今後の対応について弁護士に相談することにしました。 
(フィクションです。)

17歳の高校生が逮捕された場合の少年法の適用について 

今回逮捕されたAさんは、17歳であるため、少年法が適用されます。
刑法において、「少年」とは20歳未満の者を指し、少年が刑事事件を起こした場合は「少年事件」として扱われます。

Aが起こした事件は、駅のエスカレーターで盗撮をしたところ被害者に気付かれたという内容であり、この行為に性的姿態等撮影罪の疑いが持たれています。
もっとも、少年事件と成人が起こす刑事事件(以下「成人事件」と言います。)では異なる点がいくつかあり、大きな違いの一つとしては、成人は懲役刑や罰金刑などの処罰が与えられることに対し、少年事件は「保護処分」として処罰ではなく少年の性格の矯正環境を調整して健全な育成を行うことを目的としていることが挙げられます。

つまり、今回のAのような少年が盗撮事件を起こした場合、性的姿態等撮影罪に規定されている法定刑で処罰されるのではなく、少年の性格環境を調査して、今後同じような非行をしないための健全な育成を目的とした保護処分が下される可能性があるということになります。

17歳の少年が逮捕された後の流れ 

逮捕されたAは、まず警察や検察などの捜査機関から取調べを受け検察官が引き続き身柄を拘束するべきかどうかを判断します。

身柄を拘束する必要がなければ釈放されますが、必要があると判断されれば、勾留や勾留に代わる観護措置がとられて逮捕に引き続き身柄を拘束される可能性があります。

その後、事件が家庭裁判所に送致され、家庭裁判所がAの精神状態や性格、交友関係や家庭環境などを調査し、審判(=成人事件における裁判)を開く必要があると判断されれば、審判が開かれます。

審判が開かれて、Aに対して保護処分を与える必要があると判断されれば、保護観察少年院送致といった保護処分が与えられます。

勾留勾留に代わる観護措置がとられたり審判が開かれてしまうと、学校に行けなくなったり学校に事件のことが発覚して退学になってしまうおそれがあります。
このような事態を防ぐためには、弁護士から具体的なアドバイスを受けることが重要になります。

今回のAさんのケースでは、盗撮の被害者が同じ学校の同級生ということもあり、既に学校に事件のことが知られてしまっています。 
このような場合、必然的に学校への対応も必要になりますので、少年事件の経験が豊富な弁護士に依頼して、適切な対応をお願いすることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、少年の盗撮事件の弁護・付添人活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
高校生の息子さん、娘さんが事件を起こしてしまいお困りの方は、まずは24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご相談ください。

【事例解説】盗撮事件に加えて傷害事件も起こしたケース

2024-02-12

盗撮事件に加えて傷害事件まで起こしてしまったケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

盗撮犯

事例紹介

Aさんは、駅の上りエスカレーターで前に立っていた女性のⅤさんのスカートの下スマートフォンを差し入れて、Ⅴさんの下着を盗撮しました。
Aさんが盗撮する様子を偶然目撃したWさんが「何をしているんだ!」と大きな声を上げて、Aさんのことを捕まえようと追いかけて来ました。
Aさんは、追いかけてきたWさんに腕を掴まれて、その場から必死に逃げようとWさんともみ合いになった末、Wさんを押し倒してWさんに頭部打撲の傷害を負わせてしまいました。
結局、Aさんは、騒ぎを聞きつけた駅員さんや通報により駆け付けた警察官に現行犯逮捕されてしまいました。
(この事例はフィクションです)

盗撮が発覚して逃走のために目撃者をケガさせるとどのような罪に問われる?

Aさんは、駅のエスカレーターでVさんのスカートの中の下着を盗撮し、さらに逃走の際に、Aさんを捕まえにきたWさんを押し倒してWさんにケガを負わせています。

AさんがVさんのスカートの中を盗撮した行為については、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」(「性的姿態撮影等処罰法」)第2条1項1号ロによって性的姿態等撮影罪が成立すると考えられます。
性的姿態等撮影罪の法定刑は3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金刑となっています。

また、AさんがWさんを押し倒してWさんに頭部打撲のケガを負わせた行為については、刑法204条傷害罪が成立すると考えられます。
この傷害罪については、AさんがWさんを意図的にケガさせようとした訳ではなく、Wさんから逃れるためにWさんを意図的に押しただけという場合であっても、Wさんのケガという傷害の結果が生じている以上、傷害罪が成立することになります。
傷害罪の法定刑は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑となっています。

ご家族が盗撮事件で警察に逮捕されたら

ご家族が警察に盗撮事件で逮捕された場合は、いち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
弁護士が初回接見に行くことで、事件の見通しや今後の対応といったことについて詳しく知ることができます。
仮に、今回の事例のように盗撮事件と一緒に傷害事件を起こしたことを逮捕されたご本人が認めるという場合に、性的姿態当撮影罪と傷害罪の前科が付くことを避けるためには、盗撮事件の被害者の方と傷害事件の被害者の方の双方の被害者の方との示談交渉が非常に重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は盗撮事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
ご家族が盗撮事件で警察に逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】中学生が学校で学習用タブレットを用いて盗撮

2024-02-01

中学生が学校で学習用タブレットを用いて盗撮した事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

タブレット

事例紹介

中学1年生の13歳であるAくんは、学校で配布されている学習用タブレットカメラ機能を用いて、同級生の女子中学生のVさんが体育の授業のために着替えている姿盗撮しました。
Vさんの友人がAさんが盗撮していることに気が付き、担任の先生に報告したことで、Aくんとその両親は学校に呼ばれることになりました。
また、Vさんの両親も、Vさんが盗撮されたことを知って、警察に被害届を提出しました。
今後どうすれば良いのか分からないAくんの両親は、少年事件に強い弁護士今後の対応について相談することにしました。
(この事例はフィクションです)

13歳の中学生が盗撮すると罪に問われる?

スマートフォンタブレットカメラを利用して着替えている人の姿を盗撮する行為は、性的姿態撮影等処罰法2条に規定されている性的姿態等撮影罪に問われる可能性があります。
また、盗撮したものが18歳未満の児童の裸の姿であった場合には、盗撮によって児童ポルノを製造したとして児童買春・児童ポルノ禁止法7条5項に該当する可能性があります。
性的姿態等撮影罪の法定刑3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金刑となっていて、児童買春・児童ポルノ禁止法7条5項違反の場合の法定刑も同様に3年以下の懲役又は300万円以下の罰金刑となっています。

事例のAくんも同級生である13歳の女子中学生Vさんが着替えている姿を盗撮していますので、Aくんの盗撮行為児童買春・児童ポルノ禁止法7条5項違反している可能性がありますが、刑法41条では14歳に満たない者の行為は罰しないとしていますので、13歳であるAくんが盗撮行為によって、何かしらの刑事罰が科されるということはありません。
そうすると、事例では、Vさんの両親が警察に盗撮の被害届を提出していますが、この被害届は何の意味もないことになるかというとそうではありません。

Aくんのように14歳未満で犯罪に当たる行為をしてしまった少年のことを「触法少年」といいます。
被害届の提出などによって、警察が触法少年を発見した場合には警察は触法少年やその保護者を警察に呼び出して事件について質問をするなどの触法調査を行うことができます。
調査の結果、警察が家庭裁判所の審判に付すことが適当であると判断したときには、児童相談所所長へと事件を通告し送致することになります。
事件の送致を受けた児童相談所でも、調査が行われることになり、そこでも家庭裁判所による審判付することが適当であると判断されると家庭裁判所に送致されることになります。
そして、家庭裁判所が少年審判を開いて刑事罰の代わりに保護処分といった形で少年の最終的な処遇を決定することになります。

中学生のお子様が盗撮事件を起こしてしまってお困りの方は

このように13歳の中学生のお子さんが盗撮事件を起こしたという場合は、通常の刑事事件とは異なる流れで事件が進められることになりますので、まずは少年事件に強い弁護士に相談して、今後の流れや対応についてアドバイスを貰うことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件のみならず少年事件に強い法律事務所です。
中学生のお子様が盗撮事件を起こしてしまってお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】性的姿態等撮影未遂で後日逮捕② 

2024-01-25

性的姿態等撮影未遂で後日逮捕された事例を参考に性的姿態等撮影未遂罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。 

盗撮犯

事例 

Aさんは、通勤で使う駅構内のエスカレーターで前に立っていた女子高校生のスカート内を盗撮しようとスマートフォンをスカート内に差し入れました。
Aさんの盗撮行為は、エスカレーターの後ろにいた目撃者に気づかれ声をかけられたため、Aさんはその場から急いで逃走し自宅に帰ってきました。 
自宅に帰ってきたAさんは盗撮したデータを確認したところ、スカート内は写っておらず撮影は失敗していました。
被害届が出されていたようで、防犯カメラの映像目撃証言などからAさんが特定され、性的姿態等撮影未遂の疑いで後日自宅に来た警察官にAさんは逮捕されてしまいました。
Aさんが逮捕されたという連絡を受けた、Aさんのご両親は、状況を確かめるため弁護士に相談し初回接見の依頼をしました。

性的姿態等撮影未遂で後日逮捕される?

前回の記事の通り、最終的にスカート内の下着の撮影に失敗していたり、中に体操服等を着用しており下着が撮影できていなかったとしてもスマートフォンをスカート内に差し向ける等の実行行為があれば「性的姿態等撮影未遂罪」が成立する可能性があります。
犯罪が成立する可能性がある以上は、現行犯逮捕されなかったとしても後日逮捕される可能性はあります。 
被害者や目撃者が盗撮に気づいて警察に被害届を提出しており、加えて、駅などの防犯カメラに被疑者が盗撮している様子が記録されているような場合は、犯人と犯行の様子が特定されているため後日逮捕されてしまう可能性が考えられます。 
また、逮捕まではされないとしても取り調べの度に警察署に呼ばれ在宅での捜査を受ける可能性があります。

性的姿態等撮影未遂で逮捕された場合の流れ 

・逮捕段階

警察に逮捕されてしまうと、逮捕により最大72時間身体拘束を受けます。
具体的には、警察は引き続き留置の必要があると判断するときは身体拘束から48時間以内検察官に送致する手続きをしなければいけません。
そして、送致された被疑者を受取った検察官は、留置の必要があると判断するときは被疑者を受け取った時から24時間以内に裁判官に勾留の請求をすることになっています。
さらに、逮捕されてから勾留請求をするまでには72時間の時間制限がありますので、被疑者は逮捕段階では最大72時間の身体拘束を受ける可能性があります。

・被疑者段階での勾留

裁判官により勾留が決定された場合は、そこから最大20日間身体拘束を受ける可能性があります。
勾留の決定により10日間の身体拘束が開始され、検察官の請求により延長が決まると追加で10日間身体拘束を受ける可能性があります。 

・起訴・不起訴 

勾留が満期になる前に、検察官が起訴不起訴の決定をします。 
不起訴になれば事件が終結し、身体拘束の必要性がなくなるため釈放されます。 
また、略式起訴になった場合も罰金を納付することにより釈放されます。 
もっとも、起訴された場合は被疑者勾留から被告人勾留へと変わり、継続して身体拘束を受けることになります。 
被告人段階になると「保釈」の請求が可能になるため、見込みなどを含めて弁護士に相談することをオススメします。 

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は盗撮事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
ご家族が警察に逮捕されてしまってお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

 

 

【事例解説】大学受験に向かう高校生に対する盗撮

2024-01-10

大学受験に向かう高校生に対する盗撮事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

盗撮犯

事例紹介

Aさんは、大学入学共通テスト当日の朝、最寄り駅に受験生と思われる高校生がたくさんいることに気が付き、Aさんは駅構内の上りエスカレーターを何度も利用して、受験生である高校生スカートの中の下着スマートフォンで盗撮するといったことをしていました。
Aさんが何度も同じ上りエスカレーターを利用することに不審に思った私服警察官が、Aさんの様子を近くで警戒していたところ、Aさんが前に立っていた女子高校生のVさんのスカートの下にスマートフォンを差し入れてスカート内の下着を盗撮している姿を現認したため、Aさんは性的姿態等撮影罪の疑いで現行犯逮捕されました。
(この事例はフィクションです)

大学受験の入試当日の盗撮事件

2024年の1月13日と14日は令和6年度の大学入学共通テストの受験当日になり、全国各地で大学受験を目指す受験生が受験することになります。
この大学入学共通テストは、国公立大学を一般受験する受験生にとっては原則として受験しなければならないものであり、また、私立大学を「共通テスト利用方式」で受験する受験生も利用するものとなっていますので、この大学入学共通テストの受験日当日は受験生にとって大切な日となります。

今回の事例は、大学受験生にとって大事な日である大学入学共通テスト当日に、受験生に対して盗撮行為をしたものです。
事例のAさんは、受験生である高校生のVさんのスカートの下にスマートフォンを差し入れてスカートの中の下着を盗撮していますが、このような盗撮行為性的姿態撮影等処罰法2条1項1号イに規定する性的姿態等撮影罪に該当すると考えられます。
また、この性的姿態等撮影罪性的姿態撮影等処罰法2条2項によって、未遂の場合も処罰の対象になっていますので、たとえば、AさんがVさんのスカートの中を盗撮するために、Vさんのスカートの下にスマートフォンを差し入れようとしたところで私服警察官に取り押さえられて、実際にVさんのスカートの中を盗撮していないという場合でも性的姿態等撮影罪の未遂として刑事罰の対象になる可能性が高いと考えられます。

このような性的姿態等撮影罪法定刑3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金刑となっています。

ご家族が盗撮の疑いで警察に逮捕されたら

逮捕された刑事事件はとにかくスピードが大事になります。
そのため、警察からの連絡などでご家族が性的姿態等撮影罪の疑いで逮捕されたことを知ったら、いち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらい、事件の見通しや今後の対応等について弁護士からアドバイスを貰われることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は盗撮事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
ご家族が警察に逮捕されてしまってお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】性的姿態等撮影罪と不同意わいせつの疑いで逮捕

2024-01-03

性的姿態等撮影罪と不同意わいせつ罪の疑いで逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

エステ

事例紹介

エスティシャンのAさんはお客さんのVさんに対して、エステの施術のひとつであるとを言ってボディオイルを使ってVさんの胸を揉むというわいせつな行為を行い、その様子を密かに撮影していました。
施術終了後、Aさんの施術に不信を感じたVさんは、仲の良い友人に相談したところ、友人から「その施術は絶対におかしい」と言われたため、Vさんは警察に被害届を提出することにしました。
Vさんが被害届を提出したことで、Aさんは不同意わいせつ罪と性的姿態等撮影罪の疑いで警察に逮捕されました。
(この事例はフィクションです)

わいせつな行為を行った上でその様子を撮影すると

事例のように、胸を揉むというわいせつな行為をエステの施術のひとつであると、わいせつな行為ではないと相手に誤信させて、そのようなわいせつな行為を行ってしまうと、刑法176条2項により、不同意わいせつ罪が成立する可能性が高いと考えられます。
また、事例を少し変えて、行ったわいせつな行為が胸を揉むという行為ではなく、女性の膣の中に指を入れるという行為であった場合は、不同意わいせつ罪ではなく、刑法177条2項により不同意性交等罪が成立すると考えられます。
不同意わいせつ罪の法定刑は6か月以上10年以下の懲役(改正後は「拘禁刑」)となっており、不同意性交等罪の法定刑は、不同意わいせつ罪よりも重い5年以上の有期懲役(改正後は「拘禁刑」)となっています。

また、事例ではAさんは、胸を揉むというわいせつな行為の他に、Vさんに対してわいせつな行為を行っている様子を密かに撮影するという行為も行っています。
わいせつな行為を密かに撮影盗撮)する行為は、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」(「性的姿態撮影等処罰法」)第2条1項1号ロによって性的姿態等撮影罪が成立すると考えられます。
性的姿態等撮影罪の法定刑3年以下の懲役(改正後「拘禁刑」)又は300万円以下の罰金刑となっています。

そのため、事例のAさんには不同意わいせつ罪性的姿態等撮影罪の2つの罪が成立する可能性があることになります。

性的姿態等撮影罪と不同意わいせつ罪の疑いで警察に逮捕されたら

ご家族が性的姿態等撮影罪不同意わいせつ罪の疑いで警察に逮捕されてしまったら、いち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
弁護士が初回接見に行った結果、逮捕されたご本人が罪を素直に認めているという場合は、被害者の方との示談交渉が弁護活動として非常に重要になってきます。
初回接見をきっかけに正式に弁護活動を依頼した弁護士を通して、被害者の方と示談を締結することができれば、警察に拘束されている身体の早期開放事件の早期解決といった可能性を高めることが期待できます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は盗撮やわいせつ事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
性的姿態等撮影罪と不同意わいせつ罪の疑いで警察の捜査を受けられてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】電車内で女性の脚を服の上から盗撮して逮捕

2023-12-18

電車内で女性の脚を服の上から盗撮して逮捕された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

満員電車

事例紹介

会社員のAさんは、帰宅途中の電車内で自分の前に座っていた女性Vさんの服の上から盗撮しました。
Aさんの様子を不審に思った乗客のひとりがAさんに声をかけたところ、Aさんは別の車両へと逃げ出そうとしたので、Aさんは周囲の乗客取り押さえられました。
次の停車駅で降車させられたAさんは、観念してVさんの脚を盗撮していたことを話したところ、Aさんは通報により駆け付けた警察官逮捕されました。
(この事例はフィクションです)

服の上から盗撮しても罪になる?

盗撮行為については、今年の夏から新しく施行されている性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律性的姿態撮影等処罰法)に規定されている性的姿態等撮影罪として立件されることが多くなってきています。
この性的姿態等撮影罪として立件するためには「性的姿態等」(性的姿態撮影等処罰法2条1項1号柱書)を盗撮した場合でなければなりませんが、「性的姿態等」とは、①性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部又は胸部といった人の性的な部位、又は②人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分のいずれかでなければなりません。
そうすると、事例のAさんのように服の上から女性の脚を盗撮したという場合は、「性的姿態等」を盗撮したというわけではありませんので、性的姿態等撮影罪には該当しない可能性が高いと考えられます。

ただ、性的姿態等撮影罪に該当しないからといって盗撮行為が全く罪に問われないわけではありません。
服の上からの盗撮行為については、各都道府県が定める迷惑行為防止条例の中に規定されている「卑わいな言動」として処罰の対象になる可能性があります。
例えば、東京都迷惑行為防止条例5条1項では
「何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。」
と規定し、「次に掲げるもの」として同条3号において、
「前2号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。」
と規定しています。
そのため、たとえ性的姿態等撮影罪にいう「性的姿態」に該当しない服の上からの盗撮行為でも、その盗撮行為が、被害者の方に恥ずかしい思いをさせて、不安を覚えさせるような盗撮行為である場合には「卑わいな言動」として刑事罰を受ける可能性があることになります。
仮に盗撮行為が、東京都迷惑行為防止条例5条1項3号における「卑わいな言動」に該当した場合、同条例8条1項2号によって6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科される可能性があります。

盗撮事件でご家族が逮捕されたら

ご家族が盗撮事件で警察に逮捕されたらいち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
弁護士に初回接見に行ってもらうことで、事件の概要や今後の流れ、事件の見通しがどのようなものになるかといったことについて弁護士からアドバイスを貰うことができます。
そして、この初回接見をきっかけに弁護士に正式に弁護活動を依頼することで、逮捕されたご本人の早期釈放や、事件の早期解決といった可能性を高めることできます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は盗撮事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
ご家族が盗撮事件で警察に逮捕されてしまったら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】駅の構内で盗撮をした疑いで17歳の少年が逮捕 

2023-12-13

駅の構内で盗撮をしたとして17歳の少年が逮捕された事例を参考に、盗撮での少年事件の流れについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

逮捕

事例紹介 

高校3年生で受験を控えているAさんは、受験勉強のストレスもあり通学途中の駅の構内で前に座っている女子高校生のスカート内にスマートフォンを差し入れて下着を盗撮しました。
Aさんの盗撮行為は、後ろに立っていた男性に気づかれ駅員に引き渡されました。
その後、臨場した警察官にAさんは性的姿態等撮影罪の疑いで逮捕されてしまいました。
警察から、Aさんを逮捕したと連絡を受けたAさんの両親は、事件の詳細を知るために弁護士に依頼して初会接見に行ってもらうことにしました。
(フィクションです。)

性的姿態等撮影罪について

今回、Aさんは性的姿態等撮影罪(以下「撮影罪」という。)の疑いで逮捕されています。
撮影罪は、今年の7月に新たに新設された性的姿態撮影等処罰法(略称)の2条に定められています。
撮影罪が成立する行為としては
電車内やエスカレーターなどで、女性のスカートの中を盗撮すること
女子トイレに侵入して、個室内の女性を盗撮すること
性行為中の相手の姿を無断で撮影すること 
などが考えられます。
上記事例のAさんは、駅の構内で前に立っていた女性のスカート内にスマートを差し入れて下着を撮影していますので、撮影罪として処罰される可能性の高い行為をしています。
Aさんは17歳であり「20歳未満の者」として「少年法」が適用される年齢です。
そのため、少年事件として通常の刑事事件とは異なる流れで事件が進行していくことになります。

少年事件の流れ 

通常の20歳以上の者の刑事事件で逮捕・勾留された場合、検察官によって起訴されるか不起訴になるかが決まります。
これが少年事件の場合は、検察官によって起訴か不起訴が決まるわけではなく、原則として家庭裁判所に事件が送致されます。
家庭裁判所に事件が送致された後は、調査官により事件の調査が行われ、最終的に審判を受けることになります。
審判において、非行事実要保護性が認定されれば保護処分が科せられることになります。
保護処分は、①保護観察、②児童自立支援施設又は児童養護施設送致、③少年院送致の3種類があります。
詳しくは、少年事件の流れを参照ください。

少年事件における弁護活動

少年事件の場合、通常の刑事事件とは異なった流れで手続きが進んでいきます。
逮捕、勾留段階であれば、いきなり警察官に連日取調べを受けることになり精神的・肉体的ストレスは大人と比較できないほど大きなものになると考えられます。
警察官からの圧に怯えてしまいやってもいないことをやったと言ってしまうことや、つかなくてもよい嘘をついてしまうことは後々の自身の立場を追い込んでしまうものであるため絶対に避けなければ行けないことです。
上記の段階であれば、弁護士に接見に行ってもらい取調べに対するアドバイスを貰うことで安心して取調べに対応することできるようになります。
家庭裁判所に事件が送致された段階では、弁護士は付添人として活動することができます。
少年と日々コミュニケーションを図ることにより、少年の思いや反省が調査官により伝わるようにアドバイスをすることが出来ますし、周囲の環境調整なども行い少年にとって最も良い結果をもたらす形で事件が終わるように活動することが出来ます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は盗撮事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
性的姿態等撮影罪の疑いで子どもが警察に逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】国内線の飛行機内における盗撮事件で現行犯逮捕

2023-11-27

国内線の飛行機内でキャビンアテンダントを盗撮した事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例紹介

Aさんは、北海道から福岡に向かうために、新千歳空港から飛び立って福岡空港へ到着する予定の飛行機に搭乗しました。
Aさんは、機内でキャビンアテンダントであるⅤさんが接客対応に集中している隙を狙って、Ⅴさんのスカートの下からスマートフォンを差し入れてVさんの下着を盗撮しました。
AさんがVさんを盗撮している姿を目撃した他のキャビンアテンダントは、クルー全員で相談して、福岡空港到着後にAさんだけを機内に残し、Aさんはそのまま現場に駆け付けた警察官性的姿態等撮影罪の疑いで現行犯逮捕されました。
(この事例はフィクションです)

国内線の飛行機内での盗撮事件

Aさんのようにスカートの中にスマートフォンを差し入れて下着をひそかに撮影する行為は、性的姿態撮影等処罰法(正式には「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」と言います)2条1項1号イに規定されている性的姿態等撮影罪になる可能性が高いです。
この性的姿態等撮影罪については今年の夏から新しく創設されて適用されている犯罪になり、実際に今年の夏ごろから「性的姿態等撮影罪の疑いで逮捕された」という報道を目にすることが多くなってきていると思います。

この性的姿態等撮影罪が創設される前は、盗撮行為は各都道府県が定める迷惑防止条例違反という形で立件されていました。
迷惑防止条例については、あくまでその都道府県の中で適用される条例になりますので、盗撮行為がどこの都道府県でなされたものが分からないと、どの都道府県の迷惑行為防止条例を適用すれば良いかの判断がつかないという事態になります。
そのため、事例のように飛行中の機内で盗撮行為をした場合、飛行機が上空を高速で移動するため、盗撮行為がどこの都道府県で行われたものが分からず、盗撮行為を立件することが非常に難しいという事情がありました。

しかし、現在では、先程も説明した性的姿態等撮影罪が創設されています。
性的姿態等撮影罪が規定されている性的姿態撮影等処罰法は、各都道府県が規定する条例と異なって、日本において等しく適用される法律ですので、盗撮行為がどこの都道府県でなされたものかが明らかでなくても立件されることになります。
性的姿態等撮影罪の法定刑3年以下の拘禁形又は300万円以下の罰金刑となっています。

性的姿態等撮影罪の疑いで警察に逮捕されたら

刑事事件はスピードが命ですので、ご家族が性的姿態等撮影罪の疑いで警察に逮捕されたら、弁護士に依頼していち早く初回接見に行ってもらうことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は盗撮事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
性的姿態等撮影罪の疑いで警察に逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】医師が開業するクリニックの更衣室で盗撮

2023-11-15

医師が自身が開業するクリニックの更衣室に隠しカメラを設置して勤務する看護師を盗撮していた事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

盗撮カメラ

事例紹介

医師のAさんは、自身が開業するクリニックの女子更衣室に隠しカメラを入れた箱を設置して、クリニックで勤務する看護師のVさんが着替えのために下着姿になっている様子を撮影しました。
Aさんは、スタッフが全員帰宅して誰もいなくなったクリニックで、設置した隠しカメラを回収しようと箱を探しましたが、カメラを設置した箱が女子更衣室から無くなっていることに気が付きました。
更衣室を利用したVさんが、隠しカメラの存在に気が付き、箱ごと持って行ったと思ったAさんは、今後の対応について急いで弁護士に相談することにしました。
(この事例はフィクションです)

医師免許を持つ者に前科が付いてしまうと

更衣室で着替えのために下着姿になっている人を盗撮する行為は、性的姿態等撮影罪に該当すると考えられます(性的姿態撮影等処罰法2条1項1号イ)。
性的姿態等撮影罪の法定刑3年以下の拘禁刑(改正後)又は300万円以下の罰金刑となっています(性的姿態撮影等処罰法2条)。

ところで、事例のAさんの職業は医師ですが、医師法7条1項では、医師免許を既に取得している人が罰金以上の刑に処せられた場合は、厚生労働大臣が、戒告、3年以内の医業の停止、免許の取消しの中からいずれかの処分を行うことができると規定しています。
そのため、仮に医師が性的姿態等撮影罪で起訴されて前科が付いてしまうと、前科が罰金刑であっても、医師としての仕事に大きな影響が出ることになると考えられます。

性的姿態等撮影罪の前科が付くことを回避したいとお考えの方は

性的姿態等撮影罪前科を付けたくない医師としての仕事への影響を最小限に留めたいとお考えの方は、まずはいち早く弁護士に盗撮事件について相談して、事件の見通しや今後の対応といったことについてアドバイスを貰われることをお勧めします。
盗撮事件を起こしたことを認める場合、被害者の方と示談交渉をして示談を締結するということが、最終的な処分の軽減を図る上で重要になります。
被害者の方の連絡先を知っているという場合、盗撮事件を起こした本人が直接、被害者の方と示談交渉を行うというのも不可能ではありません
しかし、被害者の方からすると、直接盗撮事件の犯人と交渉をするというのは避けたいと思うのが通常であると考えられますし、また、充分な法的知識を持たない当事者同士による示談の場合、示談の条件などに漏れがあって、せっかく示談を締結したのに後になってまたトラブルになるといったことも想定されます。
そのため、性的姿態等撮影罪被害者の方との示談をしたいと考えている方は、法律の専門家である弁護士に示談交渉を依頼して、しっかりとした条件で示談を締結されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は盗撮事件をはじめとする刑事事件・少年事件に強い法律事務所です。
性的姿態等撮影罪の前科が付くことを回避できないかとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

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