男性に対する盗撮等性犯罪
男性に対する盗撮等性犯罪
同性愛者などによる、男性を被害者として盗撮等の性犯罪の刑事事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
<事例1>
東京都豊島区在住の会社員男性Aさんは、市内の大型スーパーの男子トイレにおいて、隣の個室トイレに男性Vさんが入ってきたことを見計らって、録画機能をつけた携帯電話を差し入れようとしたところをVさんに見とがめられて取り押さえられました。
Vさんは男子トイレを盗撮した者がいると警視庁池袋警察署に被害を訴え、Aさんは駆けつけた警察官によって東京都迷惑行為防止条例違反の疑いで現行犯逮捕されました。
警察からAさんが逮捕されたとの連絡を受けたAさんの母は、働き盛りのAさんが身体拘束され、仕事に行けなくなったことで事件が職場に発覚し、Aさんが仕事を辞職せざるを得なくなるのではないかと不安になり、刑事事件を専門とする弁護士に警察署への接見を依頼することにしました。
<事例2>
東京都豊島区在住の公務員男性Aさんは、インターネット上の出会い系掲示板を通じて、市内に住む男子高校生Vさん(16歳)に対してお金を渡す約束をして、わいせつ行為をしました。
しかし、この出会い系掲示板を監視していた警察のサイバーパトロールが事件の可能性があると判断し、警視庁池袋警察署はAさんに事情聴取を求めたところ、Aさんが事実を認めたため、Aさんは児童買春・児童ポルノ規制法違反の疑いで逮捕されました。
警察からAさんが逮捕されたとの連絡を受けたAさんの父は、Aさんの立場上やってはいけないことをしてしまったと被害者の方に謝罪と賠償をしたいと考え、刑事事件を専門とする弁護士に事件を依頼することにしました。
(フィクションです)
上記刑事事件例は、東京都内の中高一貫校の男性教師が、16歳の男子高校生にお金を渡す約束をして、わいせつ行為をした疑いで逮捕された事案をモデルにしています。
男性被疑者は、今年2月、都内のレンタルルームで、神奈川県内の当時高校1年の男子生徒に1万円を渡す約束をして、わいせつ行為をした疑いが持たれており、男子生徒がSNSに書き込んだ援助交際を求めた内容を、警察がサイバーパトロールで見つけ、事件が発覚したと言われています。
警察の調べに対し、被疑者は「欲求からしてしまった」などと供述しているようです。
昨今では同性愛等の性的マイノリティに対するメディアの取り扱いも増加しており、LGBTに対する配慮を求める機運が高まっています。
しかし、たとえ少数派のセクシャリティであっても性犯罪として罰則の規定がある行為に触れた場合には当然男女の区別なく処罰されることになり、特に平成29年に刑法の性犯罪規定の改定により、例えば強姦罪の被害者は女性に限らず、広く男性に対する強制的な性交類似行為を処罰するようになりました(刑法第177条、強制性交等罪)。
上記刑事事件例のように、盗撮等による東京都迷惑行為防止条例違反の事例や、児童買春の事例においても、犯罪の成立要件に被害者の性別は含まれていないため、構成要件に該当する場合にはそれぞれの罪が成立することになります。
性犯罪に関する刑事事件の一般的な傾向として、現行犯逮捕の場合は勿論のこと、被害者に対する身体的な違法行為(児童買春、淫行など)が伴うものは比較的法定刑が重い事案であり、捜査機関は逮捕に踏み切る場合が多いように思われます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所でも、性犯罪の逮捕事案を数件受任させていただく機会があり、被疑者のご家族の全面的な協力の上で、被疑者の方が被害者の方に二度と近づけない環境づくりを行い、逮捕後の勾留を阻止した事案がございます。
被害者が男性の場合の性犯罪事案であっても、被害者の被疑者に対する嫌悪感や恐怖感は女性同様であり、刑事事件の示談に経験豊富な弁護士が仲介し、示談締結に向けて動くことが不起訴処分を勝ち取るための最も効果的な方法と言えるでしょう。
男性に対する性犯罪で刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料相談や初回接見サービスをご検討ください。