盗撮事件・のぞき事件と判決の種類・刑罰の種類
盗撮事件・のぞき事件で起訴された場合には、ほとんど有罪判決が言い渡されます。
ここでは、判決の種類と言い渡される刑罰の種類について説明いたします。
このページの目次
1 判決の種類
刑事事件で逮捕・起訴され、裁判所での審理を経たのち、言い渡されるものが判決です。
判決には、大きく分けると「無罪判決」と、「有罪判決」に分けられます。
まれなものとして、訴訟要件(被告人に対して管轄を有しないなど)を満たさない「公訴棄却判決」や、時効が完成していた場合などの「免訴判決」等もあります。
「有罪判決」は、一般に「実刑判決」と「執行猶予付判決」に分けられます。
「実刑判決」は、判決が確定するとすぐに刑罰が執行される(刑務所に入る等)のに対し、「執行猶予付判決」は、判決が確定してもすぐに刑罰が執行されず、日常生活を送りつつ更正を図ることができ(刑務所に入らなくてよい等)、執行猶予期間を無事経過すれば、刑の言い渡しの効力は失います。
2 刑罰の種類
刑罰の種類としては、重い順に 死刑、懲役、禁錮、罰金、拘留、科料、没収 があります。
このうち、没収は、単独で言い渡されることはなく、他の刑に付加して言い渡されます。そのため没収は、「付加刑」といわれます。
付加刑の没収がされる場合の主文は、以下のようになります。
「被告人を罰金30万円に処する。名古屋地方検察庁で保管中の携帯電話機1台を没収する。」
(1)死刑
刑事施設内において、絞首して執行される刑です。
殺人罪(199条)、強盗致死罪(240条後段)、現住建造物等放火罪(刑法108条)などの罪で法定刑として定められています。
(2)懲役刑
刑事施設(刑務所)において拘置し身体の自由を拘束するもので、所定の作業(刑務作業)を行わせる刑です。
「無期」と「有期」があります。
「無期懲役」は、刑の執行の終わる時期が定められていないというものです。被告人が死ぬまで刑務所から出られないという外国の終身刑とは異なります。
「有期懲役」は、1月以上20年以下の期間で刑の長さが定められている懲役刑です。
もっとも、二つ以上の罪を犯し併合罪(刑法45条)となった場合には、長期について最長30年以下にまで延長することができます。
(3)禁錮刑
刑事施設(刑務所)において拘置し身体の自由を拘束する刑です。懲役刑とは異なり、所定の作業(刑務作業)を行わせるものではありません。
もっとも、刑務作業が義務ではないというものであって、受刑者が希望すれば刑務作業をすることもできます。
また、「無期」と「有期」については、懲役刑と同じです。
(4)罰金
一定の金額のお金を支払わせることを内容とする財産刑の一つです。
罰金は原則として1万円以上の金額とされています。
(5)拘留
1日以上30日未満の間、刑事施設(刑務所等)に拘束し身体の自由を拘束する刑です。
(6)科料
軽微な義務違反などについて、1000円以上1万円未満の金額のお金を支払わせることを内容とする財産刑の一つです。
3 盗撮事件・のぞき事件の法定刑
盗撮事件・のぞき事件にて、各地方自治体の条例に違反した場合については、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金などが各条例にて法定刑が規定されています。
また、他人の住居等で盗撮・のぞき行為をし、軽犯罪法に違反した場合については、拘留(30日未満の身柄拘束)または科料(1万円以下の金銭的罰則)が法定刑として規定されています(軽犯罪法第1条)。
そして、盗撮事件・のぞき事件とともに、刑法上の住居侵入罪・建造物侵入罪が成立する場合については、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金が法定刑として規定されています(刑法130条)。
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