カメラ付き腕時計で盗撮し逮捕

2020-09-08

カメラ付き腕時計で盗撮し逮捕

カメラ付き腕時計で盗撮し逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】
大阪市内に住むAさん。
商業施設や電車内において、腕時計型カメラを使い、女性のスカート内の盗撮を繰り返していました。
ある日、盗撮できそうな女性を発見したAさん。
いつも通り腕時計を向けて盗撮していましたが、その不審な動きに気が付いた周りの人が被害者の女性に伝えました。
女性や目撃者から、
「盗撮してるんじゃないですか」
などと問い詰められたAさん。
「していない」と答えてその場を立ち去りました。
しかし、通報を受けた大阪府東警察署の警察官が防犯カメラの映像を確認したところ、Aさんが写っており、その動きから盗撮している可能性が極めて高いことが判明。
捜査の結果Aさんの身元も判明したことから、Aさんは逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)

~カメラの種類は豊富だが~

女性の下着を盗撮する場合、スマホがよく使われますが、靴やカバンに小型カメラを仕掛けたり、あるいは小型カメラをトイレなどに設置するといった方法などがあります。
今回の事例のように腕時計型のカメラを用いるケースもあり、方法は多様化しています。

しかも安価に売られており、誰でも手に入れられる状況です。
しかし、仮に興味を持ってしまったとしても、買ってしまうと盗撮をする環境が整ってしまい、犯行につながりやすくなってしまいます。

犯罪は、環境さえ整えば、誰でもしてしまうという言われ方をすることもあります。
盗撮に使える物を買わないことにより、犯罪をする環境を作らないことが重要です。

~迷惑防止条例違反に~

Aさんのような盗撮をした場合、各都道府県が制定する迷惑防止条例に違反したことになります。

大阪府の条例を見てみましょう。

(正式名称)大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
第6条1項
何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
1号 省略
2号 人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている内側の人の身体又は下着を見、又は撮影すること。

罰則は原則として、1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
盗撮の前科があるといった理由により常習者として扱われると、2年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。

また、撮影に失敗しても、衣服の下の身体や下着を撮影しようとしてカメラを向けた時点で犯罪となり、原則として6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金となります。

~逮捕された後の流れ~

犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間、勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

その後、検察官が刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判を受け、執行猶予とならない限り、そこで判断された刑罰を受ける流れになります。

比較的軽い犯罪では、被害者と示談をすみやかに成立させたり、家族の監督が見込めるといった事情があれば、勾留されずに釈放されたり、検察官が刑事裁判にかけないという判断(不起訴処分)をして、前科も付かずに手続きが終わることもあります(今回は大目に見てもらうということ)。

~弁護士にご相談ください~

示談の方法や、家族が監督できることを検察官や裁判官に示していく方法など、事件ごとの具体的な事情をもとにしてご説明致しますので、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。

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