埼京線で盗撮し逮捕
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埼京線で盗撮し逮捕
電車内で盗撮をして逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
埼玉県浦和市に住む男性Aさん。
通勤やプライベートで埼京線を利用していました。
ある日の乗車中、向かいに座っている女性のスカート内が見えたため、魔が差してスマホで盗撮したところ、女性に気付かれました。
女性から、
「今、撮りましたよね?」
と強い口調で言われたAさんは、否定することもできず、撮った画像も確認され、言い逃れができなくなりました。
Aさんは次の停車駅である武蔵浦和駅で降ろされ、駅事務所に連れていかれました。
そのまま浦和警察署の警察官に逮捕されました。
今後どうなってしまうのでしょうか。
(事実をもとにしたフィクションです)
~電車内盗撮は条例違反~
電車内でスカートの中を盗撮したAさん。
このような行為は、各都道府県が制定する迷惑防止条例に違反することになるでしょう。
埼玉県の条例を見てみます。
埼玉県迷惑行為防止条例
第2条4項
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人に対し、身体に直接若しくは衣服の上から触れ、衣服で隠されている下着等を無断で撮影する等人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。
この条文には、痴漢と盗撮の両方が規定されています。
Aさんがしたような電車内での盗撮は、「公共の乗物において…衣服で隠されている下着等を無断で撮影する」といった部分に該当することになり、逮捕されたり、罰則を受ける可能性があるわけです。
では、罰則はどうなっているでしょうか。
第12条2項
次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第1号 第二条第四項の規定に違反した者
このように、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金となります。
なお、盗撮の前科があるなどの場合には、常習者として扱われることがあります。
この場合は上限が2倍、すなわち1年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
~逮捕された後はどうなる?~
犯罪をしたとして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署の留置場等に入れられ、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間、勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。
勾留期間の最後、またはその前に釈放された場合は一通りの捜査が終わった後、刑事裁判にかけられるか(起訴)、かけられずに済むか(不起訴)の判断がなされます。
初犯であったり、被害者の方に謝罪・賠償して示談を結ぶことができれば、不起訴で終わる可能性も十分あります。
不起訴処分とは、裁判も受けず、刑罰も受けず、前科も付かずに事件の手続きを終わらせてもらうことを言います。
今回は大目に見てもらうということです。
また、起訴されたとしても、公開の法廷で裁判を受けるのではなく、簡単な手続で罰金を納付して終わる略式起訴(略式罰金)で終わる可能性もあります。
また、早い段階で被害者への謝罪・賠償をして示談を結ぶ意向を捜査機関などに示すことは、早期釈放に向けても重要となります。
~弁護士にご相談ください~
とはいえ、示談金はいくらにしたらいいのか、示談書の文言はどうしたらいいのかなど、わからないことだらけだと思います。
また、被害者の方は、加害者本人やそのご家族と直接連絡を取ることに抵抗があり、弁護士が間に入らないと、連絡先すらわからずに終わることもあります。
そこで、まずはお早めに、弁護士にご相談いただければと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。