【事例紹介】性的姿態等撮影未遂の疑いで男が逮捕
性的姿態等撮影未遂の疑いで男が逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
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事例
長野県安曇野市で女児のスカート内をスマートフォンで撮影しようとした男が性的姿態等撮影未遂の疑いで逮捕されました。
逮捕されたのは安曇野市の派遣社員の男(23)です。警察によりますと、男は2日、市内の商業施設で、女児のスカート内にスマートフォンを差し入れ、隠し撮りしようとした疑いです。
被害者の関係者から届け出があり、警察は男を特定、5日夜に逮捕しました。男は容疑を認めているということです。
「性的姿態等撮影罪」は7月に施行された盗撮等を取り締まる法律に基づく罪で、法律の適用は県内ではこれが初めてです。
「性的姿態等撮影罪」は同意がないのに、ひそかに性的姿態等(性的な部位、下着、わいせつ行為や性交の様子)を撮影する行為などが対象で、量刑は「3年以下の懲役または300万円以下の罰金」となっています。
(9月6日Yahoo!ニュース掲載の長野放送の記事を引用しています。)
性的姿態等撮影罪について
まず、性的姿態等撮影罪は令和5年7月13日に施行された「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」の第2条に規定されています。
性的姿態等撮影罪が成立する行為としては以下の場合になります。
①正当な理由がないのに、ひそかに、「性的姿態等」のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたものを撮影する行為
②不同意性交等に当たる行為その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成、表明又は全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
③行為の性質が性的なものではないと誤信をさせ、若しくは特定の者以外の者が閲覧しないとの誤信をさせ、又はそれらの誤信をしていることに乗じて人の対象性的姿態等を撮影する行為
④正当な理由がないのに、16歳未満の者を対象として、その性的姿態等を撮影し、又は13歳以上16歳未満の者を対象として、当該者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者が、その性的姿態等を撮影する行為
また、これらの未遂に関しても処罰されます。
性的姿態等撮影罪の未遂とは
未遂とは「犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった」(刑法43条本文)場合を言います。
例としては、スカート内を撮影しようとスマートフォンを差し入れたがスカート内の写真が取れていなかった場合などが考えられるでしょう。
未遂は犯罪が未完成の場合であるため、これを罰すると定めた個別の規定がある場合に限り処罰されます(刑法44条本文)。
性的姿態等撮影罪については、これを規定する2条2項において、「前項の罪の未遂は、罰する」とされ個別の規定があるため未遂行為も処罰の対象となります。
未遂犯の刑については、既遂の場合の法定刑を「減軽することができる」と定められており任意的減軽事由とはなりますが必ずしも刑が減軽されるわけではありません。
また、未遂犯処罰規定がある以上は未遂行為も犯罪であり逮捕されるリスクがあります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は性的姿態等撮影未遂罪をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族が性的姿態等撮影罪の疑いで逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。