【事例解説】プールの更衣室で盗撮をしたとして逮捕

2023-08-02

プールの更衣室で着替えていた女性を盗撮したとして性的姿態等撮影罪の疑いで警察に逮捕されたケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

事例紹介

「Aさんは、プールの更衣室で女子大学生のVさんが水着に着替えるために下着を脱いで裸になっている様子をスマートフォンで盗撮しました。
盗撮に気が付いたVさんが叫び声をあげたため、Aさんはその場から逃走しましたが、近くにいたプールの係員に取り押さえられて、そのまま警察に性的姿態等撮影罪の疑いで逮捕されました。」
(この事例はフィクションです)

性的姿態等撮影罪とは

2023年7月13日から、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」(以下では、「性的姿態撮影等処罰法」と言います。)という法律が施行されています。
性的姿態撮影等処罰法によって、あたらしく「性的姿態等撮影罪」(単に「撮影罪」と表現されることもあります。)という犯罪が設立されました。

性的姿態等撮影は性的姿態撮影等処罰法2条1項に規定されています。
性的姿態撮影等処罰法2条1項柱書では、
「次の各号のいずれかに掲げる行為をした者は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処する。」
と規定し、「次の各号」のひとつである同項1号によれば、的姿態等」を正当な理由がなく、ひそかに撮影する行為を処罰の対象にしています(ただし、「性的姿態等」の中で、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを盗撮した場合は除かれます)。
そして、この「性的姿態等」とは、具体的には、
・人の性的な部位=性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部(でんぶ)又は胸部(性的姿態撮影等処罰法2条1項1号イ参照)
・人が身に着けている下着のうち現に性的な部位を覆っている部分(性的姿態撮影等処罰法2条1項1号イ参照)
・わいせつな行為又は性交等がされている間における人の姿態性的姿態撮影等処罰法2条1項1号ロ参照)
のことを言います。

事例のAさんは、プールの更衣室でVさんが水着に着替えるために下着を脱いで裸になっている様子をスマートフォンで盗撮しています。
下着を脱いで裸になっている様子を盗撮した場合、性器やその周辺部、臀部といった人の性的な部位を盗撮した可能性が高いといえますので、その場合、性的姿態等を正当な理由がなく、ひそかに撮影したとして、性的姿態等撮影罪が成立することになると考えられます。

性的姿態等撮影罪で警察の捜査を受けてお困りの方は

プールの更衣室で女性が着替えている様子を盗撮したとして、性的姿態等撮影罪の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は、一度弁護士に相談されることをお勧めします。
性的姿態等撮影罪は新しく創設された犯罪になりますので、自身の盗撮行為によってどのよう刑罰が科される可能性があるのか、今後どのような手続で盗撮事件が進んでいくのかといったことについて、専門家である弁護士に相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
性的姿態等撮影罪で警察の捜査を受けてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

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