盗撮で問われやすい罪

2021-06-15

盗撮で問われやすい罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

札幌市に住むAさんは、数年前から、通勤で利用している電車の駅のエスカレーターで盗撮を繰り返していました。
そして、Aさんは、また盗撮をしようと、今度は駅の女子トイレ内の個室に入り、小型カメラを使って前の個室に入った女性の裸などを撮影していたところ、異変に気付いた女性に110番通報され、駆け付けた警察官に現行犯逮捕されました。

~盗撮で問われやすい罪~

・建造物侵入罪
建造物侵入罪は、刑法第130条に「正当な理由がないのに,人の住居若しくは人の看守する邸宅,建造物若しくは艦船に侵入し,又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する」旨規定されています。
ここでいう「正当な理由」とは、行為が社会的に相当であるか否かで判断されるので、不特定多数の人が自由に出入りできる建物などでも、立ち入った目的によっては建造物侵入罪に問われる可能性があります。
上記事案では,Aさんは盗撮する目的で女子トイレに侵入していますので、正当な理由がないのは明らかであり、建造物侵入罪が成立します。

・条例違反
盗撮行為は、各都道府県が定める迷惑防止条例に違反する可能性があります。
条例は各都道府県により内容が異なるところで、公共の場所でスカートの中などを盗撮する行為等はいずれの都道府県でも定められていますが、ケースのようなトイレでの盗撮行為は規定されていない場合もあるようです。
ケースについては札幌市を想定していますので、北海道の迷惑防止条例が問題となります。
北海道迷惑行為防止条例2条の2第3項 住居、浴場、便所、更衣室その他の人が衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所(以下この号及び次号において「住居等」という。)における当該状態の他人の姿態を撮影し、又はこれを撮影するため写真機等を住居等における当該状態の他人に向けること。

~盗撮で起訴されないためには~

被害者と示談交渉を進めて示談を成立させ、その結果(示談書)を刑事処分を決める検察官へ提出する必要があります。
示談交渉を進めるためには被害者と連絡を取り合う必要がありますが、被害者又は捜査機関が、直接加害者に連絡先を教えることはありません。そこで、示談交渉を進めるためには弁護士の力が必要となります。弁護士に依頼すれば、示談交渉が可能となるばかりでなく、適切な内容・形式で示談を締結してくれる可能性が高くなります。

また、盗撮が発覚しても

・逮捕されなかった
・逮捕はされたが、刑事処分が決まる前に釈放された

という場合は、事件は在宅事件となります。
当初から、

・逮捕されなかった

場合は、国選弁護人は付きません。また、

・逮捕はされたが、刑事処分が決まる前に釈放された

という場合、途中まで国選弁護人が選任されていても、

釈放されると、選任の効力は失われます

ので、仮に、示談交渉を始めるところだった、示談交渉中だったなどという場合は、示談交渉がとん挫してしまう可能性もあります。そこで、これらの場合は、私選の弁護人を選任されることをお勧めいたします。在宅事件では、身柄は拘束されていませんからどうしても気を緩めがちとなりますが、結論(刑事処分)が出るまでは安心はできません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮事件をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスの予約受付を承っております。

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