スポーツ選手を盗撮
このページの目次
スポーツ選手を盗撮
アスリートを盗撮した場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例】
東京都内に住む男性Aさん。
立川市内の陸上競技場で行われた陸上大会を客席から観戦するふりをして、女子選手の下着などを狙い、望遠レンズで撮影しました。
その様子を見ていた大会関係者が不審に思い、Aさんに声をかけ、写真を見せるよう要求しました。
Aさんは拒否し、大会関係者と押し問答となりました。
その後、通報により駆け付けた立川警察署の警察官に事情を聴かれ、撮影した画像もチェックされ、SDカードを任意提出し、後日また警察署に呼ばれることになりました。
Aさんは今後どうなってしまうのでしょうか。
(事実をもとにしたフィクションです)
~犯罪が成立するおそれアリ~
最近問題となっている、スポーツ選手・アスリートの競技中を狙った盗撮。
通常のスポーツ写真を撮るふりをして撮影していても、性的な写真の撮影を狙ってすると、犯罪となってしまうおそれがあります。
まず、ユニフォームに通常は隠れている下着や身体を盗撮すると、各都道府県が制定する迷惑防止条例に違反する可能性があります。
東京都の条例を見てみましょう。
公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
第5条1項
何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
1号 省略
2号 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる
ような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用
し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)
競技場や体育館などでの盗撮は、上記5条1項2号ロに該当する可能性があります。
つまり、「公共の場所」である競技場等で、「人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し」たことになるわけです。
罰則は、原則として1年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。
なお、都道府県によっては、赤外線カメラによる盗撮を処罰する規定が設けられています。
さらには、刑法の建造物侵入罪が成立する可能性もあります。
第130条
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
たとえ入場料を払っていた場合であっても、盗撮目的で競技場等に入ることは、「正当な理由がないのに…建造物…に侵入し」に該当するとして、建造物侵入罪に問われるおそれがあるのです。
Aさんのような行為は、これまでは、あまり厳しく取り締まられてきませんでした。
しかし、最近は強く問題視されるようになっていることから、今後は摘発されるケースも増えてくるかもしれません。
~弁護士にご相談を~
あなたやご家族の盗撮が見つかった場合、逮捕されるのか、いつ釈放されるのか、どれくらいの刑罰を受けるのか、示談はどうやって行えばよいのかなど、不安が大きいと思います。
事件内容に応じてアドバイスいたしますので、ぜひ一度弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
逮捕されている事件では、弁護士が警察署での面会(接見)を行う初回接見サービスのご利用を、逮捕されていない事件やすでに釈放された事件では無料法律相談のご利用をお待ちしております。