Archive for the ‘事例解説’ Category

【解決事例】商業施設での盗撮事件を示談で不起訴

2023-03-14

【解決事例】商業施設での盗撮事件を示談で不起訴

商業施設内で盗撮をして任意の取り調べを受けた刑事事件が、示談締結によって不起訴処分になった事案について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】

東京都在住の男性A(42)は、東京都新宿区内商業施設盗撮をしたとして、公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例東京都迷惑防止条例)違反の疑いで、警視庁新宿警察署で任意の取り調べを受けました。
Aは商業施設内で女性V(18)のスカートの中にスマートフォンを差し入れて盗撮した疑いです。
警察の取り調べに対し、Aは「好みの女性が居たから下着が見たいと思った」と容疑を認めています。
(令和5年2月3日に掲載された「神戸新聞NEXT」記事の一部事実を変更したフィクションです。)

【盗撮行為について】

盗撮行為は、軽犯罪法もしくは各都道府県が定める迷惑防止条例のいずれかが適用されて処罰されます。

軽犯罪法における盗撮行為の処罰内容は、以下のような条文で規定されています。

軽犯罪法第1条 左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
軽犯罪法第1条23号 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

東京都迷惑防止条例における盗撮行為の処罰内容は、以下のような条文で規定されています。

東京都迷惑防止条例第5条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
(2)  次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
 イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
 ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)
東京都迷惑防止条例第8条第2項 次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(1)第5条第1項(第2号に係る部分に限る。)の規定に違反して撮影した者

軽犯罪法違反による盗撮東京都迷惑防止条例違反による盗撮の違いは、「公共の場」で盗撮行為をしたかどうかです。
上記刑事事件では、Aは商業施設内(公共の場)で、スマートフォンを使ってVのスカートの中(下着)を盗撮しようとした疑いなので、東京都迷惑防止条例違反になります。

【被害者との示談で不起訴処分を獲得】

今回の刑事事件では、Aは刑事事件専門の弁護士に依頼して、Aの弁護士からVに示談交渉を行ったところ、示談が締結したことやAに前科がなかったことから、不起訴処分を獲得しました。
盗撮行為による刑事事件は、被害者と示談を締結することが被疑者にとって重要になります。

盗撮の被害に遭った被害者が、被疑者との間で締結する示談に応じてくれると、被害者の被疑者に対する処罰感情がなくなる若しくは少なくなる(宥恕)ので、検察官も被疑者に対し、これ以上の処罰は必要ないと判断して不起訴処分を下す可能性が高くなります。
ただ、被疑者から被害者に対し直接示談交渉をしようとすると、被害者は被疑者に対し恐怖心もあるので会ってくれないことがほとんどです。

さらに、当事者間で示談交渉をする場合は、被疑者は被害者の連絡先などの個人情報が必要になります。
被害者の個人情報は警察が把握していますが、警察が被疑者に教えることはほとんどありません。

このような理由から、当事者間で示談を締結することは難しいです。

弁護士に依頼すると、被疑者の代理人として弁護士から被害者に対して示談交渉を行うことができ、円滑に示談を締結できる可能性も高まります。
盗撮行為刑事事件を起こしてしまって示談不起訴処分を獲得したい場合は、過去に同様の盗撮事件で被害者との示談を締結不起訴処分を獲得した実績がある専門の弁護士に依頼することをお勧めします。

【盗撮行為で刑事事件を起こしてお困りの方】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮行為による刑事事件で、被疑者との示談締結不起訴処分を獲得した実績が多くある経験豊富な弁護士が在籍しています。
盗撮行為刑事事件を起こしてしまってお困りの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料の法律相談をご検討ください。

【事例解説】競技場でユニフォーム姿の女性アスリートを盗撮

2023-02-09

【事例解説】競技場でユニフォーム姿の女性アスリートを盗撮

競技場で観客席からユニフォーム姿のアスリート撮影した行為が迷惑行為防止条例違反に問われ得る可能性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例紹介】

「Aさんは、京都府の陸上競技場を訪れ、観客席から、トラックで競技をしているユニフォーム姿の女子選手を望遠カメラで撮影していました。
すると、観客席で見回りをしていた私服姿の警察官が「写真を撮りましたよね」とAさんに声をかけて、Aさんが撮影した写真を確認しました。
Aさんが撮影した写真のなかには、ユニフォーム姿の女子選手のお尻や旨がアップになった写真が多くあったので、Aさんは警察署に任意同行を求められました。
(この事例はフィクションです)

【アスリートの盗撮が社会問題に】

現在、アスリート盗撮被害が社会問題になっていて、取締りが強化されている傾向があります。
実際、京都では、私服姿の警察官が、高校生の陸上大会が開かれている競技場で、事例のAさんのように選手を撮影している人に声をかけて、胸や下半身を強調した写真を撮影していないか警戒していたようです
(参考:令和4年12月1日のMBSNEWSの記事)。

【ユニフォーム姿の選手を撮影することが罪に問われる可能性がある】

一般開放されている競技場の応援席からユニフォーム姿の選手を撮影することが何の罪になるのかと思われる方がいるかもしれません。
確かに、各都道府県の迷惑行為防止条例では、着衣で覆われている下着姿や着衣の全部または一部を付けない状態の人の姿を盗撮した場合を罰則の対象にしていますから、ユニフォーム姿という着衣姿の選手を撮影することは罰則の対象となる盗撮行為には当たらないと考えられます。

しかし、各都道府県の迷惑行為防止条例では、盗撮行為の他にも「卑わいな言動」を罰則の対象にしていますので、この「卑わいな言動」として罰則の対象になる可能性があります。
例えば、京都府迷惑行為防止条例3条では2項から4項にかけて盗撮行為に関する規制を設けていますが、これに加えて、同条例3条1項では、「何人も、公共の場所又は公共の乗物にいる他人に対し、他人を著しく羞恥させ、又は他人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、みだりに次に掲げる行為をしてはならない」と規定して、次に掲げる行為として、9号において「卑わいな言動」を挙げていますので、ユニフォーム姿の選手を撮影することが、この「卑わいな言動」に当たるとして罪に問われる可能性があります。

卑わいな言動」とは、社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作のことを言いますが、ユニフォーム姿の選手を撮影することが「卑わいな言動」に当たるというためには、単にユニフォーム姿の選手を撮影しただけではなく、撮影した写真が選手の胸や下半身をアップにしたものであったり、撮影の方法が選手を執拗に付け狙うといったものであったなどの事情が必要になるでしょう。
そのため、撮影行為が「卑わいな言動」に当たるとして罪に問われるためには、特定の場所で特定の姿を撮影すれば盗撮行為としてすぐに犯罪と判断される場合と異なって、撮影行為の具体的な状況を踏まえた判断が求められることになると考えられます。

【撮影行為について警察の捜査を受けてお困りの方は】

今回は、競技場ユニフォーム姿の選手を撮影する行為が犯罪に当たる可能性について説明しましたが、ユニフォーム姿の選手を撮影したことについて警察から捜査を受けているからといって、必ずしもその撮影行為が犯罪に当たっているという訳ではありません。
警察はあくまで犯罪の疑いがあるということで捜査に動いていますので、自身の撮影行為が本当に犯罪に当たるかについては、まずは弁護士にご相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
撮影行為が原因で警察の捜査を受けてお困りの方や、自身の撮影行為が犯罪になるのか気になる方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】盗撮で迷惑行為防止条例違反 略式命令で罰金

2023-01-29

【事例解説】盗撮で迷惑行為防止条例違反 略式命令で罰金

盗撮行為による迷惑行為防止条例違反で、略式命令による罰金が科された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例紹介】

「東京都に住むAさんは、都内の駅の上りエスカレーターでスマートフォンを前にいた女性のスカートの中に差し入れて女性のスカート内の下着を撮影(盗撮)しました。
Aさんはその場で、私服姿で見張っていた警察官に取り囲まれて逮捕されました。
逮捕後いったん釈放されたAさんは、その後、東京都迷惑行為防止条例違反盗撮)の疑いで在宅の捜査を受け、最終的に罰金20万円の略式命令を受けました。」
(この事例はフィクションです)

【略式命令とは?】

Aさんは東京都内の駅という「公共の場所」において、スカート内の下着という「人の通常衣服で隠されている下着」と、「写真機」であるスマートフォンを用いて撮影していますので、東京都迷惑行為防止条例5条1項2号ロに違反することになります。
東京都迷惑行為防止条例5条1項2号ロに違反して盗撮行為をしてしまうと、同条例8条2項1号によって1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科される可能性があります。

Aさんは警察に逮捕されたのちに最終的に罰金20万円の略式命令を受けています。
この略式命令とは簡易裁判所が100万円以下の罰金又は科料を科す裁判を言います。
略式命令がなされる裁判は検察官によって提出された書面のみで審理することになりますので、通常の裁判のイメージとは異なって簡易な裁判手続となりますので、起訴された被告人が罪を認めている場合には裁判が早期に終了するというメリットがあります
こうした裁判手続を略式手続と言います。

略式手続を行うためには、検察官が正式な裁判を求める公判請求ではなくて略式起訴を行うことになりますが、略式起訴を行うためには事前に被疑者に対して略式手続で事件を進めることについて同意が必要になります。
この同意は、略式手続では正式な裁判(公判)と異なって、裁判の場において無罪を主張するといったことが出来なくなりますから、こうした正式な裁判による審理を受けられなくなることについて被疑者に理解してもらうために求められています。
被疑者の同意がなければ、検察官は略式起訴を行うことはできませんので略式手続ではなく、正式な裁判である公判によって審理されることになります。

【盗撮で前科が付くことを回避したいとお考えの方は】

略式命令によって罰金を納付した場合、手続きが簡易なものであってもその罰金は立派な前科になります。
そのため、事件が早く終了するならと安易に略式手続によることについて同意してしまうと略式命令によって前科がつき、現在のお仕事に影響が出る場合があり得ます。

現在のお仕事への影響を最小限にするためには、警察による捜査が始まった段階で早期に弁護士に相談されることをお勧めします。
検察官が起訴するかどうかの判断を下す前に、弁護士を通じて被害者の方と示談を締結できれば略式起訴ではなく不起訴となる可能性を高めることができるでしょう。

また、既に略式命令が下された場合でも略式命令の内容に不服がある場合には、被告人は正式な裁判で審理を求めるように請求することができますので、このような場合にも弁護士に相談されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
盗撮で事件を起こして前科が付くことを避けたいとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【事例解説】デリヘル嬢の盗撮が発覚し警察沙汰に

2022-12-16

【事例解説】風俗嬢の盗撮が発覚し警察沙汰に

自宅に呼んだ風俗嬢カメラ盗撮して警察沙汰になった架空の刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例紹介】

「Aさんは自宅にデリヘル嬢のVさんを呼んで寝室のベッドで性的なサービスを提供して貰いました。
盗撮モノのアダルトビデオに興味があったAさんは、せっかくならVさんとの行為中の様子を盗撮して見返そうと思い、リモコンにカモフラージュした小型カメラを寝室に設置して、裸姿のVさんとの行為中の様子を盗撮しました。
行為が終了した後で、Aさんがシャワーを浴びている最中に、Vさんは不自然な向きでリモコンが置かれていることに不審に思ったので調べてみると、リモコンに小型カメラが内蔵されていることに気が付ついたので、店と警察に通報しました。
Aさんは自宅に駆けつけた警察官から話を聞きたいと、警察署で取り調べを受けることになりました。」
(この事例はフィクションです)

【自宅に呼んだ風俗嬢の盗撮の罪】

所属している風俗店のスタッフからの指導や風俗嬢が過去に盗撮された経験などから、盗撮されていないか周囲の様子を注意深く確認している風俗嬢の方は少なくありません。
また、リモコンや置き時計などにカモフラージュした小型カメラはネットで販売されていて、検索すると見つかりますので、取り上げた架空のケースのように、風俗嬢の方が発見したリモコンとリモコンにカモフラージュしたカメラとして販売されている商品画像とを見比べるなどして、比較的簡単に盗撮カメラかどうかは判断がつくことがあります。

風俗嬢盗撮した場合、各都道府県が定める迷惑行為防止条例によって刑事罰の対象になる可能性があります。
例えば、京都府迷惑行為等防止条例第3条3項1号では、人を著しく羞恥させ、又は人に不安若しくは嫌悪を覚えさせるような方法で、「住居、宿泊の用に供する施設の客室、更衣室、便所、浴場その他人が通常着衣の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる」人が実際に裸の状態にある姿を撮影すること(盗撮)を禁止しています。
今回取り上げたケースのAさんは、自分の家で風俗嬢の裸を盗撮しています。
自分の家にカメラを設置して撮影して何が悪いんだと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、たとえ自分の家であっても、自分の家に来た風俗嬢の裸をひそかに撮影したのであれば、盗撮行為として迷惑行為防止条例に違反する可能性が高いと考えられます。

このように裸の風俗嬢盗撮した場合にどのような刑事罰が科せられるかは各都道府県の迷惑行為防止条例の内容によって異なります。
たとえば、先ほども挙げた京都府の迷惑行為等防止条例では、風俗嬢盗撮した場合には、京都府迷惑行為等防止条例第10条2項で、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、仮に常習的に風俗嬢盗撮していた場合には、京都府迷惑行為等防止条例第10条4項によって2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる可能性もあります。

【風俗嬢を盗撮してトラブルになったら】

風俗嬢盗撮して警察沙汰になったという場合は、まずは弁護士に今後の対応などについてご相談されることをお勧めします。
既に警察が風俗嬢盗撮した事件について捜査を開始しているのであれば、刑事罰が科されて前科が付く可能性があります。
前科がつくことを回避したいのであれば、弁護士に依頼して盗撮の被害にあった風俗嬢の方と示談を締結することが重要になるでしょう。

また、警察が未介入で現段階で風俗トラブルに留まっている場合でも、盗撮の被害にあった風俗嬢の方が警察に被害を申告すれば風俗トラブル刑事事件へと発展する可能性があります。
そのため、警察が介入していないから大事にはならないと高を括らずに、風俗トラブル刑事事件へと発展する前にトラブルの解決を目指すのであれば、この場合も弁護士に被害者の風俗嬢の方との示談交渉を依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
風俗嬢盗撮したことでトラブルになり、早期の解決を望まれる方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談下さい。

Newer Entries »
Copyright(c) 2021 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.