偶然見えた下着を盗撮

2019-05-26

偶然見えた下着を盗撮

Aさんが、休日に東京都荒川区の商店街を歩いていると、フリーマーケットが開催されていました。
Aさんが物色していると、座って接客をしている女性の下着が見える状態になっていました。
「ラッキーだなあ」などと思っていたAさんでしたが、さらに欲が出て、「写メ撮れないかな」と考えてしまいました。
Aさんは携帯電話を取り出し、商店街の様子を撮るようなふりをしながら、下着を盗撮してしまいました。
その様子を近くで見ていたお客さんから、「あなた何撮ってるの!?」と言われ、事態が発覚。
Aさんは通報を受け駆け付けた警視庁荒川警察署の警察官に盗撮事件の被疑者として連れていかれました。
(事実を基にしたフィクションです)

~逆さ撮りではなくても犯罪?~

Aさんは盗撮をしましたが、いわゆる逆さ撮り(スカートの中にカメラを差し入れて撮影するような撮影方法)をしたわけではなく、普通に見える範囲を撮影したにすぎません。
しかしこの場合であっても犯罪は成立する可能性があります。

東京都の迷惑防止条例を見てみましょう。

第5条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
(1)省略
(2)次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる ような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用 し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)

Aさんの盗撮行為は、5条1項2号ロの「公共の場所」で「人の通常衣服で隠されている下着」を「写真機その他の機器を用いて撮影」したものといえるので、東京都の迷惑防止条例違反となります。
同条例は処罰の対象を、逆さ撮りのようなあからさまな盗撮に限定していないのです。

こうした盗撮をして東京都の迷惑防止条例違反となり、有罪となった場合の罰則は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります(8条2項1号)。

なお、盗撮しようとカメラを向けたが、シャッターを切る前に捕まった場合には、5条1項2号の「撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け」に該当し、罰則は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金(8条1項2号)となります。
一方、下着を撮るつもりはなく、別の写真を撮った際に偶然下着が写り込んでいたにすぎない場合は盗撮の故意がないため犯罪とはなりません。

~逮捕・勾留・起訴されてしまう?~

警察署に連れていかれたAさんですが、このまま逮捕・勾留され、家に帰れなくなってしまうのか心配でしょう。
今回のケースは盗撮事件の中では悪質性が低いので、事情聴取された後に家に帰される可能性も十分考えられます。

ただ、逮捕・勾留されなくても、刑事裁判にかけられてしまう可能性はあります(在宅起訴)。
裁判の日に家から裁判所に行き懲役やその執行猶予・罰金の判決を受ける、あるいは軽微な事件で用いられる略式手続という手続により罰金刑が科される可能性があるのです。

裁判にかけるか否かは検察官が判断します。
その際は、犯行の悪質性の他、被害者と示談が成立しているか、前科があるか、反省態度はどうか、被疑者を監督できる身元引受人がいるかといった事情を考慮して判断することになります。

~起訴や重い処罰を免れるために~

起訴するか否かの検察官の考慮事項をふまえると、検察官の判断が下る前に被害者と示談したり、身元引受人となる者がしっかりと監督していく旨の上申書を作成し提出することなどが重要となります。

しかし示談交渉をご自身でされることは難しい面があります。
そもそも犯人と会いたくない被害者もいらっしゃいますから、示談交渉できない可能性もありますし、交渉できたとしても適切な内容で示談することは簡単ではありません。
また、身元引受人となる方が監督するといっても、具体的にどのような内容の監督を行えばよいのかわかりづらいでしょう。
これらは仮に起訴された場合にも量刑を軽くするうえで重要となりますから、適切に検討し、実行していく必要があります。

そこで、盗撮事件の被疑者となってしまった場合には弁護士に相談することも考えてみてはいかがでしょうか。
刑事事件を専門として扱う弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に詳しい弁護士による初回法律相談が無料となっております。
示談交渉や今後の監督についても丁寧にご相談させていただきます。
まずは0120-631-881までお気軽にご連絡ください。
警視庁荒川警察署までの初回接見費用:37,100円)

Copyright(c) 2018 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.