公共の場所以外の盗撮と初回接見の重要性

2019-05-24

公共の場所以外の盗撮と初回接見の重要性

清掃員のAさんは,福岡県北九州市内のラブホテルの一室の清掃中に特殊な小型カメラを設置し,そこを利用した男女が性行為に及ぶ様子を盗撮していました。
Aさんは,その後も同様の方法で盗撮を繰り返していましたが,ある日,福岡県八幡西警察署から福岡県の迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されてしまいました。
Aさんは,当初,犯人は自分ではないと犯行を否認するつもりでしたが,取調べで警察官から,Aさんの顔,容姿が録画されてた小型カメラを見せられたことから罪を認めるに至りました。
Aさんの家族は,Aさんの釈放に向けて弁護士初回接見を依頼しました。
(上記事例はフィクションです)

~ 公共の場所でなくても処罰される!? ~

盗撮行為を処罰する法令として挙げられるものは,①各自治体が定める迷惑防止条例,②軽犯罪法(窃視の罪),③児童ポルノ法(製造の罪)の3つです。
③の児童ポルノ法(製造の罪)は対象が18歳未満の者(児童)ですから,今回は解説を省略します。

では,①と②が適用される際の違いについてですが,以前は,盗撮行為をした場所が公共の場所か否かによって区別することができました。すなわち,盗撮行為をした場所が公共の場所である場合は①の条例,そうでない場合は②の軽犯罪法(窃視の罪)で処罰されていたのです。しかし,近年,盗撮手口の巧妙化などの影響により,全ての盗撮行為が公共の場所で行われるとは限らなくなってきました。
そこで,①の条例でも,公共の場所以外における盗撮行為をも処罰できるようになってきています。
例えば,福岡県の条例では「公衆便所,公衆浴場,公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」での盗撮行為も処罰の対象としています。

* 盗撮における条例と軽犯罪法との違い *
盗撮における条例と軽犯罪法(窃視の罪)との一番の違いは,盗撮の対象物です。
すなわち,①条例では「通常衣服で隠されている下着又は身体」とされていることが多いと思われます。
他方,②軽犯罪法(窃視の罪)では「住居,便所,浴場,更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」とされています。
以上の違いから,条例では下着,身体が映っていなければ処罰されませんが,軽犯罪法(窃視の罪)では盗撮した写真や動画に人が写っていなくても処罰されます。

また,法定刑も大きな違いです。
すなわち,①条例では,例えば福岡県の場合,通常の盗撮では「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」,常習として行っていた盗撮では「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」であるのに対して,②軽犯罪法(窃視の罪)は拘留又は科料です。

~ 初回接見はお早めに! ~

初回接見とは,弁護士が逮捕,勾留された方と最初に行う接見のことをいいます(法律上の用語ではありません)。
ですから,勾留された後でも初回接見を行うことは可能です。
しかし,初回接見は,逮捕後すぐに行うことが理想です。
なぜなら,接見を早めに行えば,本人の供述しだいで,早め早めに対策(弁護活動)を取ることが可能となるからです。

勾留が出る前に接見することができれば,釈放に向けて警察官,検察官,裁判官に釈放するよう,あるいは勾留しないよう意見書を提出するなどして働きかけることができます。
そうして釈放となった場合は,会社からの処分など社会的不利益を受けることを回避することができるかもしれません。

また,仮に冤罪の危険を孕んでいる場合は,取調べ時の対応について具体的に助言・アドバイスすることができます。
刑事事件では初期の供述が重要となることもありますから,逮捕から早い段階で助言・アドバイスを受けることはとても重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,盗撮事件をはじめとする刑事事件少年事件を専門に扱う法律事務所です。
盗撮事件での刑事事件少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。
無料法律相談,初回接見サービスのご予約・お問い合わせを24時間受け付けております。
福岡県八幡西警察署までの初回接見費用:41,740円)

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