盗撮事件で逮捕・弁護士との相談と守秘義務
このページの目次
盗撮事件で逮捕・弁護士との相談と守秘義務
A(男性・40歳)は、京都府木津川市にある商業ビルの男性用トイレの個室の隙間から、スマートフォンを差し入れ、中にいたV(男性・25歳)の姿をカメラ機能で盗撮しようとした。
もっとも、Vはすでに用を達しており、スマートフォンにはトイレの内部部分しか撮れていなかった。
しかし、VがAの行動に気づいて通報し、京都府木津警察署の警察官は、Aを建造物侵入罪の容疑で逮捕した。
Aの家族は、盗撮事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)
~ 盗撮事件によって建造物侵入罪で逮捕~
盗撮に関しては、現在のところ刑法に盗撮そのものを処罰する規定は存在せず、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」(通称:迷惑防止条例。最近ではこの通称名を正式な条例名とするケースも増えています。京都では「京都府迷惑行為防止条例」とされています)によって、盗撮行為や痴漢行為といった迷惑行為の取り締まりが行われています。
各都道府県の迷惑防止条例では、盗撮行為に関して罰則が規定されており、当該行為は条例違反によって逮捕等されることが通常です。
かつては、盗撮行為等の客体は女性に限られており、「女子」などと規定されていた条例も少なくありませんでしたが、現在では、被害者は女性に限られず男性も対象になることが想定されることから、「人」や「他人」等と性別による限定は設けられていません。
したがって、本件のような男性同士による盗撮加害と被害にも、迷惑防止条例の適用は可能です。
もっとも、いわゆる迷惑防止条例が規定する盗撮行為は、本来着衣で覆われている部分や下着などが対象にされていることが多くなっています。
本件では、個室トイレの内部しか撮れておらず、これらの類型行為には該当しないと考えられます。
盗撮行為に関しては、行為や場所について具体的に規定している都道府県とそうでない都道府県の条例があるため、いわゆる迷惑防止条例の禁止する行為に該当するかどうかは、行為を行った都道府県によっても判断が異なることがあるのが実情です。
そこで、条例で「卑わいな言動」という文言で、包括的に迷惑行為の処罰を定めている都道府県も多くあります。
「卑わいな言動」とは、刑法上に規定されている「わいせつ」よりも広く解釈されており、一般人の性的道義観念に反し、他人に性的羞恥心や嫌悪を覚えさせ、又は不安を覚えさせるようなみだらな言動をいうと解されています。
しかし、本件行為が「卑わいな言動」に該当するかどうかは、「卑わいな言動」が上述のとおり曖昧かつ包括的な内容を有しているため、その該当性判断が困難な場合があります。
こういった場合には、盗撮目的という建造物の管理者の意思に反した立入りを行っている点で、建造物侵入罪の成立は認められると考えられることから、建造物侵入罪によって逮捕等がされることになります(刑法130条前段)。
また、トイレ等の通常衣服を脱いだりする場所で盗撮を行うことは、軽犯罪法違反にも同時にあたることになります(軽犯罪法1条23号)。
本件は成人間の刑事事件ですが、例えば加害者が(刑事未成年(=14歳未満)でさえなければ)「少年」(=20歳未満)でも盗撮犯として逮捕等されてしまうことがあります。
近年では年少者間でもスマートフォン等の普及が進んでいるため、少年でも簡単に盗撮行為を行うことができ、安直に上記のような違法行為を行ってしまう危険性が指摘されており注意が必要です。
~弁護士との相談・守秘義務~
本件のように逮捕されてしまった被疑者のご家族、あるいは逮捕は免れたが警察・検察から嫌疑をかけてられている被疑者の方は、一刻も早く専門家である弁護士と相談したいと思うのが心情でしょう。
そして、その相談内容が刑事事件という極めてセンシティブな内容ともなると、話した内容が外部に漏えいしないかなど、心配や不安を抱くことも少なくないかと思います。
この点、弁護士は、単なる職業倫理にとどまらず、法令上、職務上知り得た秘密を保持する義務を負っています(弁護士職務基本規程23条、弁護士法23条参照) 。
したがって、弁護士が刑事事件の被疑者の相談を含め、(何ら正当な事由なく)職務上知り得た秘密を漏えい等させれば、上記法および規程に反することになる可能性があります。
ですから、盗撮事件のようなセンシティブな内容のご相談も、弁護士であれば安心してしていただけるのです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、建造物侵入罪等の盗撮事件を多数扱っている刑事事件専門の法律事務所です。
弊所では、ご相談内容やご相談者様のプライバシーには最大限配慮した体制を構築しております。
盗撮事件で逮捕された方のご家族は、あいち刑事事件総合法律事務所のフリーダイヤル(0120-631-881)までお問い合わせください。
通話料無料のお電話にて、弁護士による初回接見や無料法律相談などのご予約等を24時間うけたまわっております。
(京都府木津警察署までの初回接見費用:38,900円)