兵庫県尼崎市の銭湯盗撮事件

2019-05-14

兵庫県尼崎市の銭湯盗撮事件

~ケース~
Aさんは,兵庫県尼崎市のスーパー銭湯の脱衣所でお風呂上りにくつろいでいたところ,小学校低学年くらいと思われる女の子が父親と一緒に入ってきた。
脱衣所に人がいなかったため,Aさんはロッカーの陰から,自身のスマートフォンで女の子が服を脱ぐところを撮影した。
Aさんがスマートフォンを向けていることに気が付いた父親がAさんを咎め,騒ぎを聞きつけた店員らによってAさんは取り押さえられた。
通報によって駆けつけた兵庫県尼崎北警察署の警察官によって,Aさんは迷惑行為防止条例違反の疑いで現行犯逮捕された。
(フィクションです)

~条例~

今回のケースはいわゆる「盗撮」の事案です。
盗撮行為は,各都道府県の制定する迷惑防止条例によって規制されています。
詳細な条文や規制される内容は各都道府県によって若干の違いはありますが,兵庫県の迷惑防止条例では以下のようになっています。

兵庫県迷惑防止条例 3条の2
1項 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。
2号 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為

2項 何人も、集会所、事業所、タクシーその他の不特定又は多数の者が利用するような場所(公共の場所を除く。)又は乗物(公共の乗物を除く。)において、次に掲げる行為をしてはならない。
1号 正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向ける行為
2号 前項第2号に掲げる行為

3項 何人も、正当な理由がないのに、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所にいる人を写真機等を用いて撮影し、撮影する目的で写真機等を向け、又は撮影する目的で写真機等を設置してはならない。

従来,盗撮は公共の場でスカートの中等を撮影する行為が念頭に置かれていました。
しかし,小型カメラや撮影機能付きスマートフォンの発達などにより,(公共の場でない)脱衣所などに撮影機器を設置しておく盗撮事件が増加しました。
そのため,兵庫県もそうであるように,条例を改正し,盗撮の規制範囲を

・学校,事務所,タクシーその他の不特定又は多数の者が利用することができる場所又は乗物(覗きを含む)
・住居,浴場,便所,更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所(覗きを含む)

等を含むように拡大している都道府県も多く存在します。
これらも正当な理由なく,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような方法の場合に禁止されます。

今回のケースで,スーパー銭湯の脱衣所は改正によって加えられた更衣室に該当しますので,Aさんが行った撮影は兵庫県の迷惑防止条例違反となります。
兵庫県では,盗撮行為の罰則は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています(常習の場合は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金)。

~児童ポルノ~

また,盗撮事件の場合に注意しなければならないのが,盗撮画像が児童ポルノとなってしまう可能性があるということです。
児童ポルノとは「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって,殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部,臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり,かつ,性欲を興奮させ又は刺激するもの」をいい,児童とは18歳未満の者をいいます(児童ポルノ禁止法2条)。
すなわち,盗撮の被害者が18歳未満であった場合,盗撮画像が児童ポルノに該当してしまいます。
そして,児童ポルノを撮影した(=製造した)場合,3年以下の懲役または300万円以下の罰金となります(児童ポルノ禁止法7条5項)。
今回のケースで撮影された被害者18歳未満ですので,Aさんは盗撮のみならず児童ポルノ製造の罪に問われてしまう可能性もあります。

~弁護活動~

今回のケースでAさんは条例違反の盗撮だけでなく児童ポルノ製造の罪にも問われてしまう可能性があります。
このような場合には,まず被害者および被害者の両親を示談交渉することが重要になります。

しかし,盗撮などの事件の場合,連絡先等もわからないため,加害者が被害者の方と直接示談をすることは非常に困難です。
弁護士であれば,捜査機関から被害者の同意の下,連絡先を教えてもらえる可能性もあります。
連絡先を教えてもらえれば被害者の方が示談に応じて頂ける可能性もあります。
示談が成立すれば,検察官は事件を起訴猶予とする可能性が高くなります。
起訴猶予となれば前科等にもなりませんので,被害者の方と示談を成立させることは非常に重要になります。
まずは刑事事件に詳しい弁護士にご相談されることをおすすめします。

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