【事例解説】駅構内の盗撮で逮捕
【事例解説】駅構内の盗撮で逮捕
駅構内のエレベーターにおける盗撮により、東京都迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例紹介】
「東京都に住むAさんは、通勤時に使用している東京駅にある上りエレベーターにおいて、自分の前にいたVさんのスカートの中を盗撮するために、録画モードにした自分のスマートフォンをVさんのスカートの中に差し入れました。
盗撮行為が完了後、その場を移動しようとしたところ、突然見回りをしていた鉄道警察隊の警察官に取り囲まれて、その場で東京都迷惑行為防止条例違反の疑いで現行犯逮捕されました。
Aさんの帰りを自宅で待っていたAさんの妻であるBさんは、その日の夜に、警察より「Aさんを今日の朝に逮捕したので、しばらくは家に帰れない。明日は検察に行く予定。」との連絡をもらい、Aさんがどういう状況であるのかが全く分からず不安な気持ちでいました。
(この事例はフィクションです)
【事件を検察に送致するとは?】
駅構内という「公共の場所」において、「人の通常衣服で隠されている下着」であるスカートの中の様子をスマートフォンで盗撮する行為は、東京都迷惑行為防止条例5条1項2号ロに違反する行為です。
そのため、Aさんが、東京都迷惑行為防止条例5条1項2号ロに違反したことを理由に起訴された場合、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されることになります(同条例8条2項1号)。
事例ではBさんは、警察からAさんを逮捕したことや、次の日には検察に行くことを説明されました。
この「検察に行く」というのは、Aさんが起こした盗撮事件を検察官に送致するということを意味していると考えられます。
逮捕したAさんの身柄を警察が無制限に拘束しておくことはできませんので、警察はAさんの身柄を拘束しておく必要があると判断した場合は、逮捕してから48時間以内に検察に事件を送致しなければなりません。
そして、事件を警察から検察に送致する際には、逮捕後に作成した調書や証拠となる物と一緒に、逮捕したAさんも検察に送る必要がありますので、事件を送致するとなった場合には、一度警察から検察へと移動することになります。
事件の送致を受けた検察官はAさんに対して弁解の機会を与えて、Aさんの弁解内容を聞きます。
Aさんの弁解を聴いた後で、検察官も引き続きAさんの身柄を拘束しておく必要があると判断した場合は、Aさんの身柄を受け取ってから24時間以内に裁判官に対して勾留請求をすることになります。
勾留請求を受けた裁判官は、Aさんと直接面談する勾留質問を行い、この結果、勾留の要件を満たすと判断した場合は、勾留が決まることになります。
事件を検察に送致してから裁判官の勾留質問までは1日で一気に行ってしまうことが比較的多いです。
そのため、「明日検察に行く」と説明された場合、その日のAさんのスケジュールは、朝に警察を出発して管轄の検察庁まで行った後、裁判所に向かうことになり、勾留質問を終えた夕方ごろに再び警察に戻ってくるという場合が多いと考えられます。
【ご家族の逮捕の連絡を受けたら】
警察からの連絡などをきっかけに、ご家族の方の誰かが逮捕されたということを知った場合は、いち早く弁護士に初回接見に行ってもらうことを依頼されることをお勧めします。
弁護士の初回接見は土日祝日を問わず自由に行うことができますし、また、留置されている警察署だけではなく、検察庁や裁判所でも行うことができます。
検察に事件が送致される前に弁護士が事件に介入することができれば、勾留請求や勾留決定を回避する活動をとることが可能となります。
勾留が決まってしまうと、基本的には勾留請求をした日から10日間身柄が拘束されることになりますし、やむを得ない事由がある場合には最長で更に10日間勾留期間が延長される場合があります。
このようにひと月弱の期間にわたって身柄が拘束されてしまうと、仕事や学校生活などに大きな影響が出る可能性が高いです。
こうした長期の身柄拘束を回避するためには、いち早く弁護士に事件に介入させることが重要になりますので、ご家族の方が逮捕されたことを知ったら、真っ先に弁護士に相談されるのが良いでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です
突然、警察から盗撮でご家族の方を逮捕したと連絡をうけてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。