盗撮と勾留回避

2021-12-07

盗撮と勾留回避について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

東京都内に住むAさんは都内を走る電車内で、向かいに座っていた女性Vのスカートの中を盗撮したところ、その場面を目撃していたWさんに声をかけられ、駆け付けた鉄道警察隊の警察官に東京都迷惑行為防止条例違反の疑いで現行犯逮捕されてしまいました。逮捕の通知を受けたAさんの妻は、身柄拘束が長期化するとAさんが経営する会社に影響がでかねないことから、早期釈放を願って弁護士に接見を依頼しました。
(フィクションです。)

~盗撮は列記とした犯罪~

スマートフォンの普及や小型カメラの高性能化などの技術進歩に伴い、盗撮行為などの被害が拡大しているといわれて久しい世の中です。そのため、犯罪の中でもスマホ等を使った盗撮は比較的手の出しやすい犯罪といってもよいですが、盗撮も列記とした犯罪であり迷惑防止条例等が規定する罰則に基づき、逮捕され刑事処分等を下される可能性があります。盗撮も痴漢などと同様に、人が密集する場所などで行われることもが少なくなく、電車内や駅のホーム、あるいはエスカーターなど駅の構内外で盗撮行為が行われることが多くなっています。Aさんも、電車内での盗撮により、迷惑防止条例違反(盗撮)の容疑で逮捕されています。
各都道府県の迷惑防止条例(「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」など名称には都道府県毎にやや違いがありますが、ここでは「迷惑防止条例」で総称します)では、公共の場所又は公共の乗物等において、人の下着等を撮影することを禁じており、これらの各都道府県の規定により盗撮行為が処罰対象とされています。
罰則も都道府県によって法定刑が異なりますが、例えば東京都の迷惑防止条例では、痴漢よりも盗撮の方が法定刑が高くなっており、スマートフォン等で容易に盗撮行為に及ぶことができるからといってその刑事責任を甘く見ることは危険です。
なお、逃走した際に、鉄道会社が管理する線路上を逃走し、鉄道等の運行の遅延などを生じさせた場合には、別途民事上の賠償義務が生じる可能性があることにも注意が必要です。

~逮捕から勾留までの流れ~

Aさんは今後どのような経過をたどっていくのでしょうか?逮捕から勾留までは次のとおりです。

①逮捕

②警察官の弁解録取→釈放?

③送致(送検)

④検察官の弁解録取→釈放?

⑤勾留請求

⑥裁判官の勾留質問→釈放?

⑦勾留(決定)

このように、一度逮捕されたとはいえ、釈放される機会は3度あることに注意が必要です。もっとも、何もしないとそのまま⑦勾留に至ってしまう可能性があります。
⑦勾留されると10日間の身柄拘束が決定しますし、その後、期間が延長される可能性もあります。
仮に、勾留された場合は勾留に対する不服申し立てを行って早期釈放を目指す必要があります。また、延長されそうな場合は検察官に働きかけを行ったり、実際に延長された場合は不服申し立てを行って早期釈放を目指します。
また、勾留回避に向けては、警察官、検察官、裁判官に対して働きかけを行っていく必要があります。具体的には、意見書を提出したり、場合によっては直接面談することもあります。
なお、通常、弁護士が初回の接見のご依頼を受けてから弁護活動を始めることができるのは早くても③の段階です。したがって、検察官、裁判官に対する働きかけがメインとなってくるでしょう。
もっとも、逮捕前から弁護活動のご依頼を受けていた場合は警察官に対する働きかけも行っていきます。
長期の身柄拘束となると様々場面で障害が出てきますから、早期に釈放されることに越したことはありません。
早期釈放をご希望の方は弁護士までご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、盗撮をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。無料相談や初回接見後のご報告では、事件の見通しや、刑事手続の説明の他、弁護士費用などについてご納得いただけるまでご説明させていただきます。どうぞ、お気軽にご相談ください。

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