名古屋の盗撮事件で逮捕 幇助犯の弁護士

2015-04-16

名古屋の盗撮事件で逮捕 幇助犯の弁護士

Aさんは、錦通で女子高生のスカート下に盗撮用の靴を差し出したとして愛知県迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。
取調べを担当している愛知県警中警察署によると、犯行に使用された靴は、ネット上の通販サイトで購入されたものだということです。
同署は盗撮用の靴を販売した会社経営者らにも事情を聞く方針です。

今回の事案は、2014年8月25日産経WESTニュースを参考に作成しました。
なお、警察署などは、修正してあります。

~盗撮行為の手助けをすると・・・~

ある犯罪が行われた場合、実際に犯罪行為を行った人が罰せられるのは当然です。
しかし、実際に処罰対象となるのは、その人だけとは限りません。
その一例として、幇助犯があります。
幇助犯とは、犯行の意思を有している人が行う犯罪遂行を援助し、容易にした場合のことを言います。
例えば、飲酒運転しようとしている人に車を使用させたようなケースです(もっとも、現在は幇助犯としてではなく特別な罰則規定によって対応しています)。

今回は、盗撮事件における幇助犯の例について御紹介したいと思います。
例えば、上記の事例のように盗撮用の道具を販売した場合、その道具を販売した人は、盗撮の「幇助犯」として処罰される可能性があります。
小型カメラが内蔵された靴を販売することで、盗撮行為を物理的に容易にしたと考えられるからです。
同様の行為をした容疑者2名は、それぞれ罰金50万円、罰金20万円の略式命令をうけています(2014年8月25日の産経WESTニュース)。

現在では「ペン型カメラ」「無音アプリ」「時計型カメラ」「消しゴム型カメラ」など、小型で簡単に盗撮できる道具がたくさん販売されるようになりました。
極端な事を言えば、「スマートフォン」もこの中に含まれると考えられるかもしれません。
実際、スマートフォンの普及率が高まるにつれて、盗撮事件の検挙件数も増加してきています。
ですから、現代社会では物を何気なく貸したり売ったりした結果、知らないうちに盗撮行為の片棒を担いでいるという危険性も少なくありません。

ただし、こうした行為が当然に盗撮事件幇助犯にあたるとは言いきれません。
なぜなら、原則として盗撮に使用された道具を売った人が自分の知らないところでなされた盗撮行為について、法的責任を問われるいわれはないからです。
前述の略式命令を受けた容疑者の一人が供述していた通り、本来道具の「使用方法は買った人の勝手」なのです。

もっとも、盗撮行為が行われる可能性を認識していながら、あえてそれを容易にするような道具を使用させる場合は別です。
このような場合、盗撮という卑劣な犯行を援助・助長したとして、然るべき処罰を受けるべきと言えます。
したがって、「犯行を容易にした人の認識」という点は、幇助犯の成否にかかわるポイントの一つとして指摘することができます。

愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所は、盗撮事件にも強い弁護士事務所です。
実際に盗撮行為をしたのは自分以外の人であっても、罪に問われる可能性があります。
少しでも不安に思われる場合は、すぐにご相談下さい。
なお、愛知県警中警察署に逮捕された場合、初回接見サービスですぐに弁護士を派遣することも可能です(3万5500円)です。

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