名古屋の盗撮事件で逮捕 違法取調べに強い弁護士

2015-05-13

名古屋の盗撮事件で逮捕 違法取調べに強い弁護士

Aさんは、駅のホームで盗撮行為をしたとして愛知県警中警察署逮捕されました。
もっとも、Aさんは取調べの当初から一貫して盗撮の事実を否認し続けています。
弁護士によると、Aさんは取調官から「認めないと帰さない」「認めれば刑が軽くなる」などと言われたそうです。
(フィクションです)

~供述調書の信用性~

取調べは、盗撮事件に限らず全ての刑事事件において、事件の行く末を左右する重要な捜査になります。
その際、被疑者や被告人の発言は、自白も含めて全て供述調書に記載されます。
被告人の供述を録取した供述調書は、一定の条件を満たす場合、刑事裁判の重要な証拠としても採用されます。
ただし、刑事裁判の証拠は存在しているだけでなく、その信用性がなければ意味がありません。
信用できる証拠によって犯罪事実が証明されなければ、裁判所が有罪判決を下すことはありません。

よって、刑事裁判では証拠の信用性が激しく争われることが多々あります。
以下では、刑事裁判で「供述調書の信用性」が疑われたケースをご紹介したいと思います。

■最高裁判所判決昭和38年9月13日
本件では勾留されている被疑者が手錠をされたまま、取調べを受けていたことから、作成された供述調書の信用性に疑いが持たれました。
最高裁は、
「取調べられる際に、さらに手錠を施されたままであるときは、その心身に何らかの圧迫を受け、任意の供述は期待できないものと推定せられる。
反証のない限りその任意性につき一応の疑いを差し挟むべきである」
としました。

■最高裁判所判決昭和45年11月25日
本件は、取調べの際、取調官による偽計があったため被疑者の供述の任意性が問題となった事例です。
最高裁は、
「偽計によって虚偽の自白が誘発されるおそれのある場合には、右の自白はその任意性に疑いがあるものとして、証拠能力を否定すべき。
本件被疑事実につき、もし被告人が共謀の点を認めれば被告人のみが処罰され妻は処罰を免れることがあるかもしれない旨を暗示した疑いがある。
そうであるとするならば、任意性に疑いがあるものといわなければならない」
としました。

■最高裁判所判決昭和41年7月1日
本件は、検察官が自白すれば起訴猶予にする旨の発言をし、被告人の自白を誘導したことが問題となりました。
最高裁は、
「被疑者が起訴不起訴の決定権を持つ検察官の、自白をすれば起訴猶予にする旨の言葉を信じ、起訴猶予になることを期待していた自白は、任意性に疑いがある」
としました。

愛知名古屋弁護士ノリタケ法律事務所に寄せられる法律相談の中にも、違法取調べに関するものがあります。
違法な取調べの問題が一般的にも認知されるようになり、時代の変化を感じますが依然として違法取調べは、いまだ存在しているようです。
違法な取調べでお困りの方は、ぜひ弊所にご相談下さい。
なお、愛知県警中警察署で取調べを受けているという場合には、弁護士を警察署に派遣することも可能です(初回接見費用:3万5500円)。

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