大阪での盗撮への罰則

2021-01-19

大阪での盗撮への罰則

大阪で盗撮した場合の罰則について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例】
大阪府に住む男性Aさん。
以前から電車や商業施設などで、女性のスカート内を、スマホをかざして盗撮するなどの行為を繰り返してきました。
ある日、大阪市北区を走行中の電車内で、いつものように盗撮していたAさん。
被害者の女性に見つかり、駅に着いた瞬間に逃げようとしましたが、様子を見ていた他の乗客に止められ、駅事務所に連れていかれました。
そして、間もなく駆け付けた天満警察署の警察官に逮捕されました。
(事実をもとにしたフィクションです)

~盗撮の罰則は?~

電車や商業施設などで盗撮を繰り返していたAさん。
このような盗撮は、各都道府県が制定する迷惑防止条例に違反することになります。

そして条例の中でも、盗撮する場所や方法などによって、問題となる条文が変わってきます。
今回は大阪府の条例を見てみましょう。

大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
第6条1項 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。
1号 省略(痴漢の禁止を定めている)
2号 人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている内側の人の身体又は下着を見、又は撮影すること。

まずはこの条文です。
「公共の場所又は公共の乗物」での、服などで覆われている身体や下着を盗撮するなどの行為が禁止されています。
Aさんがしたような商業施設や電車内での盗撮は、まさに「公共の場所又は公共の乗物」での盗撮と言えるでしょう。

他にも、このような条文もあります。

同項3号 みだりに、写真機等を使用して透かして見る方法により、公共の場所又は公共の乗物における衣服等で覆われている人の身体又は下着の映像を見、又は撮影すること。

盗撮の方法が、赤外線撮影で服の下の体や下着を撮影する方法だった場合は、この条文に違反することになります。

まだまだ条文は続きます。

6条2項
何人も、みだりに、公衆浴場、公衆便所、公衆が利用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所における当該状態にある人の姿態を撮影してはならない。

電車内などではなく、温泉・銭湯・トイレ・更衣室など、人が裸でいるような場所での盗撮は、この条文に違反することになります。

ここまでは不特定多数の人が出入りするような場所での盗撮を規制する条文でした。
この他に、特定少数の人が利用する場所での盗撮を禁止した条文もあるので見てみましょう。

6条3項
何人も、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、教室、事務所、タクシーその他の不特定又は多数の者が出入りし、又は利用するような場所又は乗物(公共の場所又は公共の乗物を除く。)における衣服等で覆われている内側の人の身体又は下着を見、又は撮影してはならない。

このように、様々な場所での盗撮を想定して、条文が定められています。
ただし、罰則はいずれも、1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
なお、盗撮の前科があるなど、常習者として扱われると、2年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。

さらに、これらの盗撮目的でカメラを向けたり設置した時点で(すなわち盗撮に成功していない時点で)、条例違反となります。

6条4項
何人も、第一項第二号若しくは第三号又は前二項の規定による撮影の目的で、人に写真機等を向け、又は設置してはならない。

罰則は、原則として6か月以下の懲役または50万円以下の罰金です。

このように、様々なタイプの盗撮が規制されているのです。

~ご相談ください~

都道府県によって条例の内容が異なりますし、詳しい事件内容によっても、今後の見通しが変わってきます。
あなた自身やご家族が、盗撮で逮捕された、警察に呼び出されたといった場合は、お早めにご相談ください。

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