銭湯で盗撮して逮捕されたら

2022-02-11

銭湯で盗撮して逮捕されたら

銭湯などの人が裸になりうる公共の場所で行われた盗撮行為の刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【刑事事件例】

東京都大田区仲六郷のスーパー銭湯において、銭湯と提携している清掃業者のAさんが、女性更衣室やトイレに盗撮目的で隠しカメラを仕掛けたことが発覚し、警視庁蒲田警察署により東京都迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されました。
蒲田警察署の調べに対し、Aさんは盗撮の事実を認めています。
(フィクションです。)

【盗撮行為の成立とそれ以外の罪による処罰】

日本の各都道府県が定める迷惑防止条例において、多くの場合、盗撮行為は処罰されることになります。

東京都迷惑行為防止条例の場合、第5条第1項第2号において、「住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」において、「人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置する」などの「正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為」をしてはならないと規定しています。

このような浴場における盗撮行為に対して、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されます(東京都迷惑行為防止条例第8条第2項第1号)。

東京都の場合は、盗撮行為において「住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」と規定していることから問題にはなりませんが、全国の都道府県の迷惑行為防止条例では、公共の場所にて行われる盗撮行為が処罰の対象となっており、公共の場所ではない場所で着替えを行っていて盗撮の被害にあった場合に、迷惑行為防止条例によって処罰されない可能性があり得ます。

このような場合、公共の場所での盗撮行為の場合、迷惑行為防止条例ではなく、違法な目的で当該着替えが行われた場所(建物)に侵入したと捉え、住居侵入罪建造物侵入罪(刑法130条)で処罰されるケースが実務上見受けられます。

このように、一口に「盗撮行為」と言っても、どの都道府県の迷惑行為防止条例が適用されるのか、盗撮が行われた場所が公共の場所要件に該当するのか等の事情により、処罰される適用法令が異なることが考えられますので、どのような刑事責任を負うことになるのか、刑事事件を得意とする弁護士に相談することを強くお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、日本では数少ない刑事事件専門の法律事務所であり、多くの盗撮事案の刑事事件を担当し、不起訴処分を獲得した実績が多数ございます。

銭湯における盗撮などの性犯罪刑事事件でお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

Copyright(c) 2021 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.