東京都三鷹市の駅で盗撮事件

2019-07-18

東京都三鷹市の駅で盗撮事件

~ケース~

Aさんは,仕事の人間関係などのストレスを発散するために,東京都三鷹市内にある駅で女性のスカートの中を盗撮していた。
ある日Aさんがエスカレーターで前を歩いていたVさんのスカートの中を盗撮しようとスマートフォンを差し出したところ,後ろにいたXさんに気づかれAさんは取り押さえられた。
Aさんは駅員に引き渡され,通報により駆け付けた警視庁三鷹警察署の警察官によってAさんは逮捕された。
(フィクションです)

~盗撮~

盗撮は,刑法ではなく各都道府県の定めるいわゆる「迷惑防止条例」によって禁止されています。
条例は各都道府県ごとに定められていますので,罰則や条文などに若干の違いがあります。
以下に,例として東京都が制定している迷惑防止条例の盗撮行為に関する条文を記載します。

第5条 何人も,正当な理由なく,人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような行為であって,次に掲げるものをしてはならない。
(1) 略
(2) 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を,写真機その他の機器を用いて撮影し,又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け,若しくは設置すること。
イ 住居,便所,浴場,更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所,公共の乗物,学校,事務所,タクシーその他不特定又は多数の者が利用し,又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)

「公共の場所」とは,道路,公園,広場,駅,空港,ふ頭,興行場その他の公共の場所をいい,「公共の乗物」とは汽車,電車,乗合自動車,船舶,航空機その他の公共の乗物をいいます(第2条)。
都道府県によって条文の文言に違いはありますが,規制される行為の内容にはあまり違いはありません。

なお,東京都の場合,罰則はカメラ等の差し向け・設置の場合には6月以下の懲役または50万円以下の罰金,撮影した場合には1年以下の懲役または100万円以下の罰金となっていますが,都道府県によっては両者の罰則に違いがない場合もあります。

~盗撮で逮捕されたら~

盗撮で逮捕された場合,基本的に携帯電話は押収されます。
押収の方法として任意提出と差押えの2つが考えられますが,任意提出を拒否したとしても差押え令状によって差押えられることになるでしょう。
また,任意提出を拒んだ場合,罪証隠滅の疑いがかけられる可能性が高く,勾留されてしまったり保釈が認められにくくなる可能性もあります。
押収された携帯電話は証拠となるため終局処分まで返してもらえないことが多いですが,撮影をしていない場合で余罪のデータなどが無かった場合には,証拠とはならないとされて送検される前に返してもらえる場合もあります。

余罪の画像などデータがある場合には,撮影日時はデータから分かりますが,場所についてはGPSとの紐づけなどの設定がされていない場合にはデータのみからはわからないことも多いでしょう。
盗撮を立件する場合,撮影の日時・場所の特定が必要となりますので,取調べの対応次第では余罪として立件されない場合も考えられます。

~弁護活動~

盗撮事件の場合,初犯であれば被害者の方と示談が成立していれば,起訴猶予の不起訴処分となる場合が多いです。
一方,示談に応じてもらえなかった場合などは,件数にもよりますが略式手続きによる30万円~50万円程度の罰金となることが多いでしょう。

盗撮事件で示談交渉を加害者の方が自ら行うことは非常に困難です。
示談交渉を行おうとしても,盗撮事件の場合,被害者は見ず知らずの方であることが多く,連絡先なども一切わからないと思います。
弁護士であれば検察官や警察から被害者の連絡先などを取り次いでもらえる場合もあり,それによって示談交渉ができる可能性が上がります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所刑事事件専門の法律事務所です。
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