盗撮による見張り行為によって逮捕

2019-09-06

盗撮による見張り行為によって逮捕

A(男性)は,好みであると感じたV(女性)の横浜市戸塚区にある自宅内が見える場所にカメラを設置し,スマートフォンのアプリ等で遠隔操作し,Vの様子を盗撮し,リアルタイムで確認していた。
カメラを見つけたVが神奈川県戸塚警察署に通報し,神奈川県戸塚警察署の警察官は,Aをストーカー規制法違反の疑いで逮捕した。
Aは以前にもVに対して同様の盗撮行為をしており,その際にストーカー規制法に基づく禁止命令を出されていた。
Aの家族は,盗撮事件に強いと評判の弁護士に相談することにした。
(本件は事実を基にしたフィクションです。)

~カメラによる盗撮と見張り行為~

本件でAは,特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的(ストーカー規制法2条1項柱書)をもって,盗撮に及んだと考えられ ,この行為により逮捕されています。
本件では,住居・建造物侵入等の他の刑法犯に当たる可能性もありますが,ここではストーカー規制法違反に絞って解説してみたいと思います。

まず,ストーカー行為等の規制等に関する法律ストーカー規制法と略されることが多いです)は,ストーカー行為の前提として「つきまとい等」の行為を定めています。
この「つきまとい」行為を定めるのが,ストーカー規制法2条1項であり,1号~8号において該当しうる行為を列挙しています。

本件で問題なるのは,1号における,「つきまとい,待ち伏せし,進路に立ちふさがり,住居,勤務先,学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし,住居等に押し掛け,又は住居等の付近をみだりにうろつくこと」のうち,Aの盗撮行為が,「住居等」の「付近」における「見張り」に該当するかどうかでしょう。
なぜなら,Aは遠隔操作によってカメラ機器を操作しており,「付近」における「見張り」といえるのかが問題となるからです。

この点に関し,(下級審レベルではありますが)裁判例は,遠隔操作を伴う盗撮行為を,「被害者方室内で直接行う場合と同程度に,被害者の身体の安全,住居の平穏が害され,行動の自由が著しく害される不安を覚えさせる」行為であるとしています。
したがって,本件Aの盗撮によってVの生活を監視している行為も,「住居等」の「付近」における「見張り」行為に該当し,ストーカー規制法2条1項1号の「つきまとい等」に該当する可能性があると考えられます。

~ストーカーの禁止命令と刑事罰~

上記ストーカー規制法2条1項各号の「つきまとい等」を行った場合,ストーカー規制法5条に基づき「つきまとい等」の行為の禁止命令を出すことができます。
これ自体は行政処分(つまり刑罰ではありません)ですが,「禁止命令等に違反した者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する」(ストーカー規制法20条)ことを定めており,禁止命令に従わない場合は「ストーカー行為」に達しない場合にも,行政処分を超えて刑罰の対象となることに注意が必要です。

本件Aは禁止命令が出たにも関わらず,上記「つきまとい」該当行為(1号)をやめなかったため,罰則規定に該当し逮捕されてしまっているものと考えられます。
なお,ストーカー規制法の改正により,禁止命令が出いなくともストーカー行為(つきまとい等の繰り返し)である場合にはそれをしただけで処罰されるようになったことにも注意が必要です。

ストーカー規制法は,近年でも改正が積み重ねられている法律ですから,刑事事件専門の弁護士の経験と知識が活かされる場面の一つだということが出来るでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は,ストーカー規制法違反事件を含む盗撮事件を取り扱っている刑事事件専門の法律事務所です。
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