盗撮して動画販売

2021-01-12

盗撮して動画販売

バックに仕込んだカメラで盗撮し、動画をインターネットで販売して利益を上げた事件がありました。

盗撮動画販売で2000万円以上売り上げか
Yahoo!ニュース(テレビ高知)

この事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~周到な準備~

この事件の被告人(犯罪をしたとして刑事裁判にかけられている人)は、トートバッグにカメラを仕込み、盗撮をしていたということです。

カメラはスマートフォンで操作し、録画できる仕組みになっていました。
さらに、バッグの持ち手部分のスイッチを押すとカメラの横のライトが点灯し、暗い状況でも撮影ができるようするなど、周到な準備をしていたようです。
また、盗撮した動画はインターネットで販売し、2000万円を売り上げていたとのことです。

この事件のように、公共の場で下着などを盗撮した場合、各都道府県が制定する迷惑防止条例に違反することになります。
今回は、千葉県の条例を見てみます。

公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
第3条の2
何人も、みだりに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次の各号に掲げるものをしてはならない。
一 次のいずれかに掲げる場所又は乗物において、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器(衣服を透かした状態を撮影することができるものを含む。以下「写真機等」という。)を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を差し向け、若しくは設置すること。
イ 浴場、更衣室、便所その他の人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる場所及び住居
ロ 公共の場所(イの場所を除く。)又は公共の乗物
ハ 学校、事務所その他の不特定若しくは多数の者が利用し、若しくは出入りすることができる場所(イ及びロの場所を除く。)又はタクシーその他の不特定若しくは多数の者が利用することができる乗物(ロの乗物を除く。)

非常に長い条文ですが、要は、浴場や住居内・商業施設や電車などの公共の場所・学校や会社などで、下着や裸を盗撮したりすると、この条文に違反するということになります。

罰則は、盗撮に成功してしまった場合だと、原則として1年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。
盗撮の前科があるといった理由により常習者として扱われると、2年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。

今回のように用意周到な準備をし、余罪が多数あり、利益も多く得ていたとなると、ある程度重い判決が予想されるでしょう。

~逮捕後の流れは?~

犯罪をして逮捕されると、最初に最大3日間、警察署等で身柄を拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間勾留(こうりゅう)と呼ばれる身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。

その後、検察官が刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判を受け、執行猶予とならない限り、そこで判断された刑罰を受ける流れになります。

一般的な盗撮事件では、被害者と示談を締結できれば、不起訴処分になる可能性も十分考えられます。
不起訴処分とは、今回は大目に見るということで、裁判にかけられず、刑罰も受けず、前科も付かずに刑事手続きが終了することです。

今回のような事件では不起訴処分は難しいでしょうが、少しでも刑罰を軽くするため、あるいは早期釈放を目指すためには、示談に向けて動いていくことは重要です。

~弁護士にご相談ください~

何らかの犯罪で、あなた自身やご家族が突然逮捕された、警察に呼び出されたといった場合、どんな罪に問われているのか、いつ釈放されるのか、どれくらいの刑罰を受けるのか、示談はどうやってすればよいのかなど、わからないことが多いと思います。

事件の具体的な事情をもとに、今後の見通しをご説明致しますので、ぜひ一度弁護士にご相談いただければと思います。

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