札幌での盗撮と執行猶予

2021-03-30

札幌での盗撮について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所札幌支部が解説します。

Aさんは、盗撮目的で札幌市内のオフィスビルの女子トイレに立ち入り、トイレ個室内に盗撮用の小型カメラを設置しました。しかし、次の日、そのトイレ個室を利用した女性に小型カメラを発見され、警察に提出されてしまいました。そして、警察の解析結果から、トイレ個室に小型カメラを設置したのはAさんであることが判明し、Aさんは北海道迷惑行為防止条例違反、建造物侵入罪で逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~Aさんが問われる罪~

Aさんは、①北海道迷惑行為防止条例違反、②建造物侵入罪に問われています。

①北海道迷惑行為防止条例は

第2条の2第3号で「正当な理由がないのに、「住居、浴場、便所、更衣室その他の人が衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所(以下この号及び次号において「住居等」という )における当該状態の他人の姿態を撮影し、又はこれを撮影するため写真機等を住居等における当該状態の他人に向けること」

第4号で「住居等における前号に規定する状態の他人の姿態を撮影するため、写真機等を設置すること」

を禁止しています。
罰則は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金です。

また、②建造物侵入罪は刑法130条で

「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し~た者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する」

とされています。
なお、「侵入」とは「管理権者の意思に反する立ち入り」を意味します。この点、Aさんは盗撮目的で女子トイレ内に立ち入っており、この立ち入れはオフィスビル管理者の意思に反する立ち入りであることは明らかですから、Aさんの立ち入りは建造物侵入罪の「侵入」にあたります。

~執行猶予とは~

執行猶予とは、その罪で有罪ではあるが、言い渡された刑(懲役刑、罰金刑)の執行を一定期間猶予する(見送る)ことをいいます。
たとえば、懲役刑を受けた方であれば、刑の確定後、猶予期間中に犯罪などしなければ刑務所に入らなくて済みますし、罰金刑を受けた方であれば、罰金を納付する必要はありません。

執行猶予を受けるための要件は、刑法25条1項に規定されています。

刑法25条1項
次に掲げる者が3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から1年以上5年以下の期間、その刑の全部の執行を猶予することができる

1号 前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者
2号 前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を受けた日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者

つまり、執行猶予を受けるには

1 3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の言渡しを受けること
2 上記1号、あるいは2号に該当すること
3 (執行猶予付き判決を言い渡すのが相当と認められる)情状があること

が必要となります。

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