福岡県筑後市でのぞき

2019-11-10

福岡県筑後市でのぞき

福岡県筑後市のぞき事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件】

Aさんは福岡県筑後市内にある住宅敷地内に侵入し,浴室にスマホを差し入れてVさん(女性,28歳)の裸体をのぞき見ました。
スマホに気付いたVさんが騒ぎ,Aさんは同居していたVさんの父親の通報により駆けつけた福岡県筑後警察署の警察官により現行犯逮捕されました。
なお,Aさんのスマホに映像は保存されていませんでした。
(フィクションです)

【のぞきによる犯罪】

のぞき行為によって成立することが考えられる犯罪は,主に書く都道府県の定める迷惑防止条例違反と軽犯罪法違反です。
さらに,のぞき目的で他人の住居に侵入した場合は住居侵入罪に問われる可能性もあります。

【のぞきと迷惑防止条例違反】

迷惑行為防止条例はのぞきの他にも痴漢などを処罰する規定を含む条例です。
福岡県の迷惑防止条例を見てみましょう。

福岡県迷惑行為防止条例第6条第2項
「何人も,公共の場所,公共の乗物その他の公衆の目に触れるような場所において,正当な理由がないのに,前項に規定する方法(人を著しく羞恥させ,又は人に不安を覚えさせるような方法)で次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 通常衣服で隠されている他人の身体又は他人が着用している下着をのぞき見し,又は写真機,ビデオカメラその他これらに類する機器(以下この条において「写真機等」という。)を用いて撮影すること。
第2号 前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し,又は他人の身体に向けること 」

同条第3項
「何人も,正当な理由がないのに,第一項に規定する方法で次に掲げる行為をしてはならない。
第1号 公衆便所,公衆浴場,公衆が利用することができる更衣室その他の公衆が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所で当該状態にある人の姿態をのぞき見し,又は写真機等を用いて撮影すること。
第2号 前号に掲げる行為をする目的で写真機等を設置し,又は他人の身体に向けること」

つまり,福岡県が処罰対象としているのぞき行為とは,公共の場所や乗り物で,人を著しく羞恥させ,または人に不安を覚えさせるような方法で行われたのぞき行為で,次の①または②の場合に当たるものをいいます。

①通常衣服で隠されている他人の身体や下着をのぞき見すること。
②公衆便所や公衆浴場など公衆が通常衣服の一部または全部を着けない状態でいるような場所で,衣服の一部または全部を着けないでいる状態にある人の姿態をのぞき見すること。

なお,①や②の目的でカメラを向けるだけで犯罪となりますので注意してください。

福岡県では,これらののぞき行為によって迷惑行為防止条例違反が認められた場合の法定刑は6月以下の懲役または50万円以下の罰金となっています(福岡県迷惑防止条例第11条第2項)。
さらに,常習的にのぞき行為を行っていたと認められてしまった場合の法定刑は1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

以上のように,福岡県では基本的に公共の場でのぞきを行った場合に迷惑防止条例違反に問われる可能性が生じます。
今回の事例のAさんは,浴室内のVさんの裸体をのぞき見ていますが,Vさんの住宅で行われたのぞき行為ですので迷惑防止条例違反に当たる可能性は低いです。

【のぞきと軽犯罪法違反】

軽犯罪法第1条第23号は「正当な理由がなくて人の住居,浴場,更衣場,便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」を拘留または科料に処することを定めています。

Aさんが行ったのぞき行為はVさんの浴室内をのぞき見たものですので,軽犯罪法違反に問われる可能性が高いということになります。

ここで一つ注意したいのが,軽犯罪法違反に問われるのぞき行為は,人を見るものではなく人の住居内をのぞく行為だということです。
つまり,実際に人の下着や裸体などを見ていなくても軽犯罪法違反となる可能性があるということになります。

【のぞきと住居侵入罪】

人の家の中をのぞき見る際に私有地に勝手に立ち入った場合,住居侵入罪や建造物侵入罪(刑法第130条前段)が成立することも考えられます。

個人の家の中でなく,迷惑防止条例違反に該当する公共の場所をのぞき見るために私有地に侵入した際にも,同様に住居侵入罪ないし建造物侵入罪にも問われる可能性があります。

住居侵入罪や建造物侵入罪の法定刑は3年以下の懲役または10万円以下の罰金です。

【のぞき事件の弁護活動】

Aさんのようにのぞき行為で逮捕されると,起訴・不起訴がなされるまででも最大で23日間という長い間身柄が拘束されます。
起訴されれば裁判期間中も拘束が継続することも考えられます。
よって,逮捕や勾留の伴うのぞき事件を依頼された弁護士は早期の身柄の解放を目指すことになるでしょう。
刑事手続きにおける身体拘束の条件は被疑者に逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれ等があることなので,これらのおそれがないことを主張していくことが考えられます。
のぞきは比較的軽微な犯罪ですので,常習性や前科前歴がなかったりする場合,微罪処分として事件を検察に送ることなく早期に終了させることができることもあります。

また,被害者と示談を成立させることによって微罪処分や不起訴を獲得することを目指すことものぞき事件における弁護活動の一つです。
先ほど触れたように,のぞき行為は比較的軽微な犯罪ではありますが,犯罪であることに変わりはありません。
早期に対応しなければ,思わぬ不利益を被ることになりかねません。

のぞき行為で逮捕されてしまった方,ご家族やご友人が福岡県筑後警察署に逮捕されて困っている方は,お早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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