学校女子トイレの盗撮事件

2019-03-10

学校女子トイレの盗撮事件

~ケース~
Aさんは、深夜に埼玉県加須市内のX高校に侵入し、2階女子トイレの個室に小型カメラを設置し、録画を開始しました。
翌日、用を足す前にカメラの設置に気付いた女子生徒が学校に報告し、埼玉県加須警察署の警察官が実況見分を行いました。
Aさんはある朝、いつも通り会社に出勤する準備を行っていましたが、インターホンが鳴ったのでしぶしぶ玄関先まで行くと、ドアスコープ越しに多数の捜査員がやってきているのがわかりました。
驚きながらドアを開けると、逮捕状を見せられ、建造物侵入罪の疑いで逮捕されてしまいました。
(フィクションです)

~盗撮と成立する犯罪~

現在、「盗撮罪」という罪名の犯罪類型は存在せず、盗撮行為を行った場所、状況によってさまざまな犯罪が成立します。
以下では、盗撮をした、またはしようとした際に成立する可能性のある犯罪を挙げていきます。

(建造物侵入罪)
建造物侵入罪(刑法第130条前段)は、正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入する犯罪です。
ここにいう「侵入」とは、管理権者の意思に反する立入りを意味します。
通常、高等学校の管理者は、女子トイレの個室に監視カメラを設置する者の立入りを容認していないと考えられるので、盗撮目的でX高校に立ち入る行為が建造物侵入罪を構成する可能性は極めて高いと思われます。

(軽犯罪法違反)
軽犯罪法第1条23号は、正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見る行為を犯罪としており、窃視の罪と呼ばれています。
カメラを使い、上記の場所を撮影録画する行為も「のぞき見」に該当します。
法定刑は拘留又は科料となっており、比較的軽い刑罰ですが、起訴され、有罪となれば、当然前科として扱われることになります。

(埼玉県迷惑行為防止条例違反)
同条例第2条4項は、「何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人に対し、身体に直接若しくは衣服の上から触れ、衣服で隠されている下着等を無断で撮影する等人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない」と「公共の場所」での盗撮等禁止しており、これに違反すると、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます。
本条例は、「公共の場所」であれば盗撮目的の写真機の設置行為も「卑わいな言動」として処罰する可能性のあるものであり、被写体が写っていなくても、本条例違反の罪が成立する可能性があります。
今回のケースの盗撮が行われようとした現場は高校の女子トイレであるため、「公共の場所」と認められて本罪が成立する可能性は低いと考えられます。

(児童ポルノ製造罪)
今回のケースでは女子生徒が用を足す前に盗撮カメラに気付いたので本罪に問われる可能性は考えにくいですが、もし女子生徒が衣服を脱いだ状態が盗撮されていた場合、本罪の成立も十分ありえます。
本罪の法定刑は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金です。

~今後Aさんはどうなるか~

(警察段階)
逮捕された後、警察官から取調べを受けることになります。
盗撮事件では、取調べで余罪を厳しく追及される可能性があります。

(検察段階)
警察は、逮捕から48時間以内に、Aさんの身柄を検察官のもとに送致し、検察官から取調べを受けることになります。
検察官は身柄を受け取ったときから24時間以内にAさんの勾留を請求するか、釈放するか、あるいは起訴するかを決定します。

(勾留請求後)
勾留請求をされてしまったら、裁判官が勾留質問を通じてAさんを勾留するか否かを判断します。
勾留されれば、最長10日間、勾留延長がつけばさらに最長10日間身体拘束が継続することになります。
検察官は勾留の満期日までにAさんを起訴するか、不起訴にするか、あるいは処分を保留して釈放するかを決めなければなりません。

~身柄解放活動を弁護士に依頼~

上に説明した通り、捜査段階で勾留、勾留延長されれば最長23日間身体拘束を受けることになります。
Aさんの親族はなるべく早く弁護士と相談し、身柄解放活動を依頼するべきです。
刑事手続の流れの中には、検察官による勾留請求の場面、裁判官による勾留質問など、Aさんの身体拘束を続けるかどうかを判断する機会が複数回あることがわかります。
身柄解放活動の依頼を受けた弁護士は、Aさんに有利な証拠を収集し、検察官に勾留請求をさせないよう、裁判官に勾留状を発しないよう積極的に働きかけます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、刑事事件に熟練した弁護士が多数在籍しており、盗撮事件の実績も豊富です。
是非、ご相談ください。
埼玉県加須警察署までの初回接見費用:4万円

Copyright(c) 2018 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 All Rights Reserved.