【報道解説】電車内でスマートフォンを床に置く盗撮で逮捕
【報道解説】電車内でスマートフォンを床に置く盗撮で逮捕
走行中の電車内でスマートフォンを床に置いたとして盗撮(迷惑行為防止条例違反)の疑いで逮捕された刑事事件報道について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
「電車内で女子中学生を盗撮したとして、兵庫県警西宮署は21日、県迷惑防止条例違反の疑いで、伊丹市のアルバイトの男(29)を現行犯逮捕した。
逮捕容疑は同日午後8時20分ごろ、阪急電鉄夙川-甲陽園間の普通電車内で、スマートフォンを床に置き、ドア付近に立っていた中学3年の女子生徒のスカート内を動画撮影した疑い。
男は『スカートの中を盗撮したことに間違いありません』と容疑を認めているという。
同署によると、男はドアを背にしゃがみ込み、スマートフォンを床に置いていた。
乗客の男性が不審に思い、甲陽園駅で男を駅員に引き渡したという。」
(令和4年11月22日に神戸新聞NEXTで配信された報道より引用)
【電車内でスカートの中を盗撮するためにスマートフォンを設置すると何罪になる?】
今回取り上げた報道は、兵庫県で起きた盗撮事件です。
盗撮については刑法で「盗撮罪」に該当する法令が定められていませんので、各都道府県が定める迷惑行為防止条例によって処罰されます。
兵庫県迷惑防止条例(正式には「兵庫県公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」)第3条の2第1項では、「何人も、公共の場所又は公共の乗物において、次に掲げる行為をしてはならない。」と規定し、その第2号において「正当な理由がないのに、人の通常衣服で隠されている身体又は下着を撮影する目的で写真機、ビデオカメラその他これらに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置する行為」と規定しています。
そのため、取り上げた報道のように「公共の乗物」である電車内において、スカートの中という「人の通常衣服で隠されている…下着」を撮影するために、スマートフォンという「写真機等」を床に設置する行為は、兵庫県迷惑行使防止条例第3条の2第1項2号に違反する行為になると考えられます。
兵庫県迷惑行為防止条例第3条の2第1項2号に違反した場合は、同条例15条1項によって、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
また、捜査の結果、常習的に盗撮行為を行い兵庫県迷惑行為防止条例第3条の2第1項2号に違反していた場合は、同条例15条2項によって、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
【突然、家族と連絡がつかなくなったら・・・】
電車内の盗撮で現行犯逮捕されたという場合は、逮捕された家族と連絡が取れなくなります。
そのため心配になった家族が捜索願を出すといった対応を取るために近くの警察に相談した結果、警察から「逮捕されている」と教えてもらったことで家族が逮捕されたことを初めて知ったという場合があり得ます。
このような経緯で家族が逮捕されているか知った場合、まずは弁護士に依頼して、弁護士に初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
また、逮捕されたかどうかは明確に教えてもらえず、警察から「詳しくは言えないが、元気にしているので安心してください」などと回答された場合も警察に逮捕されている可能性が少なくありませんので、こうした場合も弁護士に初回接見に行ってもらうことを依頼されるのが良いでしょう。
この初回接見によって、弁護士が事件について詳しく逮捕された本人からお話を伺うことができますので、事件の見通しや事件が今後どのような手続きで処理されていくのかということを接見に向かった弁護士から説明を受けることができますので、逮捕された本人はもちろん、ご家族様の不安なお気持ちを和らげることが期待できます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族が電車内で盗撮したとして警察に逮捕されてお困りの方や、ご家族と突然連絡が取れなくなってご不安な方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。