【報道解説】女性の下半身をカメラで盗撮 盗撮前に逮捕

2022-09-07

【報道解説】女性の下半身をカメラで盗撮 盗撮前に逮捕

女性の下半身カメラ盗撮しようとして、盗撮行為前に迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「動物園を訪れた女子高校生の下半身を小型カメラ盗撮しようとしたとして、兵庫県警神戸水上署は24日、自称・県立明石城西高校教諭の男(57)(明石市)を県迷惑防止条例違反の疑いで現行犯逮捕した。
盗撮目的で動物園に来た。動画を撮ろうとした』と容疑を認めているという。
発表では、男は24日午後3時15分頃、神戸市中央区港島南町の『神戸どうぶつ王国』で、長方形の小型カメラをサイドポケットに入れたリュックサックを手に持ち、来園客の女子高校生(16)のキュロットパンツの下に近づけ盗撮しようとした疑い。
不審な動きを目撃した別の来園客の男性が男を取り押さえ、施設からの通報で駆けつけた警察官に引き渡した。

(8月25日に読売新聞オンラインで配信された報道より引用)

【盗撮前でも逮捕される?】

今回取り上げた事件が起きた兵庫県が定める迷惑行為防止条例3条の2第1項2号では、「公共の場所」や「公共の乗物」において、正当な理由がなく、人の通常衣服で隠されている身体や下着を撮影する目的で、写真機・ビデオカメラといった撮影機器を「設置」する行為(同項2号)を禁止しています。

今回逮捕された男性は、動物園で、小型カメラをサイドポケットに入れたリュックサックを手に持ち、盗撮目的で女子高校生のキュロットパンツの下に近づけたとのことです。

この「公共の場所」には興業場が含まれると考えられていますので、動物園は「公共の場所」に当たると考えられます。

ただ、リュックサックのサイドポケットに小型カメラを入れただけでは、撮影機器を「設置」したとは言えないでしょうから、同項2号に違反した可能性は低いと考えられます。
では、なぜ男性が逮捕されたのかというと、兵庫県迷惑行為防止条例3条の2第1項1号では「公共の場所」や「公共の乗物」において人に不安を覚えさせるような「卑わいな言動」を行うことを禁止していますので、盗撮目的で小型カメラをサイドポケットに入れたリュックサックをキュロットパンツの下に近づける行為が「卑わいな言動」に当たると捜査機関が判断し、逮捕された可能性があります。

このような「卑わいな言動」をした場合の法定刑は兵庫県迷惑行為防止条例15条1項に定められており、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています。

【盗撮事件を起こして警察に逮捕されてしまうと…】

このように、実際に盗撮を完了していなくても盗撮を試みたことによって警察に逮捕される可能性があります。
盗撮事件で警察に逮捕されると、その後に、自宅の家宅捜索が実施され、スマートフォンやカメラ、パソコン、ハードディスクといったものを警察が押収してその内容を解析するといった形で、逮捕された件以外にも盗撮をしたことがないかということが捜査される場合が多いです。
仮に、他にも盗撮したデータが見つかり、常習的に盗撮をしていたということが明らかになった場合、単に盗撮をした場合よりも重い刑事罰が科されることになります。
例えば、兵庫県迷惑行為防止条例15条2項は、常習的に卑わいな言動盗撮をした場合の法定刑について1年以下の懲役又は100万円以下の罰金と定めており、刑の上限が先ほど説明した同条例15条1項の法定刑の上限の倍となっています。

そのため、盗撮事件について警察の捜査を受けているという方は、いち早く弁護士にご相談されることをお勧めします。
捜査の初期段階から弁護士が事件に介入することで、不必要に重い刑罰が科されることを避けることが期待できるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
盗撮事件を起こしてしまいお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

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