会社内盗撮事件で東京都迷惑防止条例違反

2019-04-19

会社内盗撮事件で東京都迷惑防止条例違反

東京都品川区在住のAさん(20代男性)は、自身の勤務する会社内の女性更衣室に盗撮カメラを仕掛けて、同僚女性を盗撮したことが会社側に発覚して、警視庁大崎警察署に被害届を出されてしまった。
後日に警察からAさんのもとに電話連絡があり、Aさんは警視庁大崎警察署に出頭して取調べを受けることになった。
Aさんは、今後の警察取調べ対応のことが不安になり、刑事事件に強い弁護士に法律相談することで、なんとか被害者女性側との示談交渉をまとめて被害届を取り下げる解決はできないものかどうかを相談することにした。
(事実を基にしたフィクションです)

~東京都迷惑防止条例における盗撮行為の規制場所とは~

東京都迷惑防止条例は、平成30年7月1日の改正施行により、盗撮犯罪を取り締まる「規制場所」が拡大されました。

盗撮事件では、その盗撮態様や盗撮場所に応じて、「各都道府県の迷惑防止条例」「住居侵入罪」「軽犯罪法」などの法律によって、刑事処罰を受けることになります。
一般的に、「各都道府県の迷惑防止条例」では、多くの人が出入りする「公共の場所」や「公共の乗物」での盗撮行為を取り締まりの対象としており、盗撮行為の刑罰の法定刑は(都道府県によって異なりますが)「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」や「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」とされています。
他方で、「公共の場所」や「公共の乗物」に当たらない「私有地」での盗撮行為については、刑法の「住居侵入罪」「建造物侵入罪」が適用されて、「3年以下の懲役又は10万円以下の罰金」という刑罰が科されるケースが多いです。
上記の「迷惑防止条例」にも「住居侵入罪」にも当たらないようなケースでは、「軽犯罪法違反の覗き罪」に当たるとして、「拘留又は科料」の刑罰を受けることもあります。

ところが、東京都迷惑防止条例の平成30年7月1日の改正施行により、迷惑防止条例で盗撮行為の取り締まり対象となる「規制場所」が、従来の「公共の場所」「公共の乗物」に加えて、「住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所」と「学校、事務所、タクシー」等が明文で追加されました。

・東京都迷惑防止条例 5条1項2号
「次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいるような場所
ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)」

迷惑防止条例改正後の東京都では、例えば個人住居内・学校内・会社内のトイレ・シャワー室・更衣室・風呂場などの場所で盗撮行為があった場合にも、迷惑防止条例違反の盗撮罪に当たるとして、刑事処罰を受けることが考えられます。
これらの私的な場所での盗撮行為は、従来は「住居侵入罪」「建造物侵入罪」「軽犯罪法」などによって、取り締まられていました。
この条例改正の効果は、現時点では東京都内に限られたものですが、今後に時間の経過とともに、他の各都道府県の盗撮罪の条例改正にも影響してくる可能性が考えられます。

会社内盗撮事件での刑事弁護活動としては、被害者への謝罪や弁償を行い、示談締結を目指すものが考えられます。
弁護士としては、できるだけ早急に被害者側との示談交渉を弁護士を仲介して働きかけ、被害者側に事件のことを謝罪し、示談内容や示談金額を提示し、被害者側に許してもらう形での被害届の取下げを目指して、速やかな事件解決のために尽力することが考えられます。

東京都品川区の会社内盗撮事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。
警視庁大崎警察署の初回接見費用:35,800円)

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