神奈川県小田原市で盗撮事件

2020-04-23

神奈川県小田原市の盗撮事件について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件】

Aさんは神奈川県小田原市の国営公園内にあるプールで,スマートフォンを使って水着姿の複数名の女性を撮影しました。
Aさんの不審な動きに気付いた監視員が声をかけ,Aさんは逃走を試みましたがすぐに取り押さえられました。
間もなく通報を受けた神奈川県小田原警察署の警察官に引き渡され,Aさんは逮捕されました。
(フィクションです)

【盗撮行為と犯罪】

盗撮とは,辞書的な意味でいえば被写体になる人物に気付かれないよう,こっそりカメラ等で撮影することをいいますが,これらの行為がすべて犯罪として処罰されるわけではありません。
神奈川県においては,盗撮行為は県が定める迷惑行為防止条例によって取締りの対象となっています。
迷惑行為防止条例は盗撮の他にも痴漢などを処罰する規定を含む条例です。

神奈川県迷惑行為防止条例 第3条第1項

何人も、公共の場所にいる人又は公共の乗物に乗つている人に対し、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をしてはならない。
(2) 人の下着若しくは身体(これらのうち衣服等で覆われている部分に限る。以下「下着等」という。)を見、又は人の下着等を見、若しくはその映像を記録する目的で写真機その他これに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置し、若しくは人に向けること。

第2項

何人も、人を著しく羞恥させ、若しくは人に不安を覚えさせるような方法で住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服等の全部若しくは一部を着けないでいるような場所にいる人の姿態を見、又は、正当な理由がないのに、衣服等の全部若しくは一部を着けないで当該場所にいる人の姿態を見、若しくはその映像を記録する目的で、写真機等を設置し、若しくは人に向けてはならない。

つまり,県が処罰対象としている盗撮とは,人を著しく羞恥させ,または人に不安を覚えさせるような方法で行われた撮影で,次の①または②の場合に当たるものをいいます。

①通常衣服で隠されている他人の身体や下着を撮影すること。
②便所や浴場など公衆が通常衣服の一部または全部を着けない状態でいるような場所で,衣服の一部または全部を着けないでいる状態にある人の姿態を撮影すること。

また,神奈川県では①や②の目的でカメラを向けるだけで犯罪となりますので注意してください。

神奈川県では,これらの盗撮行為によって迷惑行為防止条例違反が認められた場合の法定刑は1年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。
さらに,常習的に盗撮を行っていたと認められてしまった場合の法定刑は2年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

それでは,①や②に当たらない場合は許可なく他人を撮影しても何ら犯罪とならないのでしょうか。

【衣服の上からの盗撮】

下着や着衣の下に隠された身体を撮影する目的があれば,撮影に失敗して衣服の上からの写真しか撮れなかったとしても盗撮として迷惑行為防止条例違反が成立することは説明しました。
では下着や着衣の下に隠された身体を撮影する目的がまったくなく,現に衣服の上から撮影したにすぎない場合は処罰されないのかといえば,必ずしもそうではありません。

神奈川県迷惑防止条例第3条第1項第3号によって,「何人も、公共の場所にいる人又は公共の乗物に乗つている人に対し、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で」「卑わいな言動」をしてはならないと規定されています。
何が「卑わいな言動」にあたるのか,必ずしも明らかでなくその場の警察官などの判断によるところが大きいのですが,撮影場所や時間,撮影方法などを総合的に考慮した結果,着衣の上からの撮影であっても「卑わいな言動」にあたるとして処罰される可能性があります。

今回のケースでは,Aさんは公営のプールで水着姿の女性を撮影しています。
事件の概要からは明らかではありませんが,撮影が長時間に及んでいたり,スマホを隠し持つような形で撮影していたりといった周囲に不安感を与えるような態様で撮影を行っていた場合は特に「卑わいな言動」にあたるとされる可能性は高くなると考えられます。

【盗撮事件の弁護活動】

もし盗撮による迷惑行為防止条例違反の被疑者となってしまったら,お早めに弁護士に相談することをおすすめします。
謝罪を聞き入れてもらったり示談を成立させることによって,その示談内容にもよりますがAさんのように逮捕されていたり勾留されている場合は早期の身体拘束からの解放につながる可能性を高めることができます。
同様に示談成立の場合は不起訴処分執行猶予を得られることも多いです。

また,盗撮の目的がなかったことを示すことも当事者だけでは難しい場合が多いです。
否認事件であれば特に弁護士の力が必要になります。

盗撮行為で迷惑行為防止条例違反の被疑者となってしまった方,ご家族やご友人が逮捕されてお困りの方は,お早めに刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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