さいたま市内の盗撮で現行犯逮捕

2020-01-19

さいたま市内の盗撮で現行犯逮捕

エスカレーターで盗撮をして現行犯逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

~ケース~
Aさんは、さいたま市内の駅の上りエスカレーターにおいて、前に立っていた女性Vのスカートの中にスマートフォンを差し入れ、動画を撮影してしまいました。
近くでは、鉄道警察隊盗撮行為を警戒しており、Aさんの盗撮行為は現認されていました。
Aさんがエスカレーターを上り切った瞬間に鉄道警察隊から声をかけられ、スマートフォンを見せるよう求められました。
Aさんがスマートフォンを見せると、警察官はAさんを埼玉県迷惑行為防止条例違反の疑いで現行犯逮捕しました。(フィクションです)

~盗撮をするとどのような犯罪が成立するか?~

駅で盗撮をした場合、各都道府県が制定する迷惑防止条例違反の罪が成立する可能性が高いでしょう。
Aさんはさいたま市内の駅構内で盗撮行為を行ったので、埼玉県迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕されたものと思われます。
条文を見てみましょう。

第2条4項
何人も、公共の場所又は公共の乗物において、他人に対し、身体に直接若しくは衣服の上から触れ、衣服で隠されている下着等を無断で撮影する等人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない

Aさんの盗撮行為は、赤く色付けした部分に違反していることになります。
上記の規定に違反して盗撮行為を行い、有罪が確定すると、盗撮の常習者ではない場合は6か月以下の懲役または50万円以下の罰金になります。
常習者の場合にはより重く、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられます(12条2項1号・同4項参照)。

~Aさんは今後どうなるか?~

Aさんはまず警察署に連れていかれ、取調べを受けます。
盗撮事件の場合は、当然犯行に用いたスマートフォンも押収されるので、中身を見られてしまいます。
取調べでは、他にも盗撮画像や動画が残っていれば、この余罪についても追及されるでしょう。
消去したデータについても、警察において復元できる場合があります。

その後、逮捕時から48時間以内にAさんを検察に送致します。

検察官は、Aさんの身柄を受け取ったときから24時間以内、かつ、逮捕時から72時間以内にAさんの勾留を請求するか、Aさんを釈放するか、あるいは起訴するかを決めます。

勾留請求に対し、裁判官勾留決定を出すと、10日間勾留されます。
勾留は、やむを得ない事由があると認められるとき、さらに最長10日の限度で延長することができます。

検察官は、捜査の最終段階において、Aさんを起訴するか、あるいは不起訴にするかを決めることになります。

刑事手続の流れについてはこちらもご参照ください
盗撮事件・のぞき事件の流れ

~Aさんはどうするべきか?~

以上見たように、逮捕・勾留されると、最長23日間もの間、身体拘束を受けることになります。
Aさんが勤務する職場から、無断欠勤を理由に解雇を言い渡されたり、通っている学校があれば、退学処分を受けたり、留年する可能性があります。
このような事態は是非とも回避したいところです。

まずは、弁護士に依頼し、身柄解放活動を依頼しましょう。
弁護士は、検察官や裁判官と交渉し、勾留の要件を満たさないことを訴えかけ、勾留をさせないように働きかけることができます。
また、勾留されてしまった場合には、準抗告などの不服申し立て制度を通じ、釈放を求めて活動することができます。

被害者と示談をすることも重要です。
示談が成立すれば、釈放される可能性が高まります。
また、検察官が不起訴処分を行う可能性も高まります。
不起訴処分を獲得できれば、裁判にかけられることがないので、前科が付かずにすみます。

まずは、接見にやってきた弁護士から、示談交渉、身柄解放活動について助言を受け、事件解決を目指していきましょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする法律事務所であり、盗撮事件の解決実績も豊富です。
ご家族が盗撮事件を起こしてしまいお困りの方は、ぜひご相談ください。

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